知的財産ニュース 商標特別司法警察、ソウル明洞周辺で約200億ウォン相当の模倣品を押収
2025年3月20日
出所: 韓国特許庁
巧妙な手口への対応策として昨年6月から行った企画捜査が成果を上げた
韓国特許庁の商標特別司法警察(以下、「商標警察」)は、ソウルの有名観光地である明洞(ミョンドン)周辺で外国人観光客のみを対象に、かばん、衣類、財布など模倣品を販売・流通したA氏(男性、53歳)など8人を商標法違反の疑いで書類送検したと発表した。
商標警察は、ソウル市・明洞周辺を集中的に取り締まり(2025年2月13日~2月14日、2月24日)、模倣品販売店6か所から合計3,544点(真正品価格約200億ウォン相当)の模倣品を押収した。
外国人観光客のみを対象に店舗内の秘密倉庫で模倣品を販売していた
商標警察によると、A氏などは明洞にバッグ専門店などを開き、外国人観光客にかばん、衣類、財布など模倣品を流通・販売した疑いがある。
被疑者らは客引きアルバイトを雇い、外国人観光客を誘い込み、店の秘密倉庫にある模倣品をSA級、ミラー級だと紹介して販売していたことがわかった。
※(SA級、ミラー級)模倣品の中でも、品質が高く鏡に映ったようにそっくりの物を意味する業界用語
模倣品業者らは摘発されないように客引きアルバイトを雇い、外国人観光客の中でも女性客のみをターゲットにして客引き行為をしていたことがわかった。また、店を閉めたままにして客引きアルバイトが客を連れてくるときだけドアを開けて模倣品を紹介する形で販売行為を続け、捜査機関の取り締まりから逃げてきたことがわかった。
被疑者らは店を開くときから普通の売り場とは別に秘密倉庫を用意してそこで模倣品を販売してきた。
商標警察、今後も持続的な企画捜査を行い、模倣品の取り締まりを強化する方針
商標警察は、多くの外国人観光客が訪れる明洞で取り締まりから逃れて巧妙な手口で模倣品を販売する行為に対応するために、昨年6月から企画捜査を進めてきた。
今回の企画捜査により、模倣品を販売・流通したA氏(男性、53歳)など8人を商標法違反の疑いで書類送検し、海外有名ブランドのかばん、衣類、財布など合計3,544点の模倣品を押収した。これらは真正品価格約200億ウォン相当であることがわかった。
商標警察は、明洞周辺での模倣品流通を根絶するために取り締まりを続けていく方針だ。一時的な活動ではなく企画捜査の範囲をさらに広げて模倣品流通行為に対し強い処罰が下されるよう厳重な捜査を続ける考えだ。
特許庁の産業財産保護協力局長は「模倣品販売行為は他人の知財権を侵害する重大な犯罪行為である」とし、「国のブランドイメージにダメージを与える模倣品流通を根絶するために現場での取り締まりをより強化する一方、製造や流通ルートなどについても企画捜査を行う計画だ」と述べた。
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
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