知的財産ニュース 「サプライチェーン安定化法」の施行による「第一次サプライチェーン安定化委員会」を開催

2024年6月27日
出所: 韓国政府各部処合同

サプライチェーンの安定化を図り、韓国の経済安全保障を守ります

第一次サプライチェーン安定化委員会

チェ・サンモク副総理兼企画財政部長官は6月27日木曜日午前10時、政府ソウル庁舎にて第一次サプライチェーン安定化委員会を開催しました。
※副総理(主宰)、外交・国防・産業・科学技術・国土・環境・海水・行政安全・農林・福祉・中小ベンチャー企業・金融委、国務調整室、関税・調達・防衛事業庁、食品医薬品安全処、国家情報院、国家安保室、民間委員が出席

サプライチェーン安定化委員会は、「サプライチェーン安定化法」に基づき設置された、政府による安定化政策に関する関係各所のコントロールタワーとして、本日(6月27日)、サプライチェーン安定化法の施行により初めて開催され、

本日の第一次会議では、①サプライチェーン安定化の推進戦略、②経済安保に係る品目・サービスの指定(案)、③サプライチェーン安定化委員会の構成及び運営方向について議論しました。

チェ副総理は、冒頭発言で世界的な複合危機とサプライチェーンの分断という状況に対応し、経済安全保障とサプライチェーンの強靭化を図るために「サプライチェーン3法」が導入されたとし、本日、初めてサプライチェーン委員会を開催し、4つの政策方向が盛り込まれたサプライチェーン安定化推進戦略を議決すると述べました。並びに、今後、サプライチェーン委員会には、世界的なサプライチェーンのリスクという荒波に立ち向かう航空母艦の操舵手のような役割を果たすことを期待すると述べました。

チェ副総理は、サプライチェーン安定化の推進戦略の主要内容について言及し、

第一、コア品目・サービスの需給安定化を図るために、特定国への依存度が高く、国内生産が難しい経済安保品目を約200個から約300個まで拡大し、そのうち半導体・二次電池などコア産業に関わる品目については内製化と多角化の計画を立て、政府による支援やモニタリングを集中させる考えであることを述べました。並びに、この品目の需給安定に寄与する先導事業者に対しては今年中、5兆ウォン規模のサプライチェーン基金を優先して支援し、危機が発生した場合には事態解決のタイムリミットを有効に活用できるよう公共備蓄を拡大すると述べました。

第二、国内製造能力を拡充するなどサプライチェーンエコシステムを強化するとしました。経済安保品目の生産企業に対し、海外事業場の縮小義務を免除させ、国内Uターンを促し、海外資源取得に対する投資税額控除の要件を緩和させ、企業による鉱物資源の確保を支えると述べました。また、コア品目において原資材・中間財の確保、R&D,輸送などサプライチェーンの強靭化を図り、サプライチェーンの混乱に脆弱な中小企業に対し、各企業の状況に応じた支援策を講じる一方、尿素・黒鉛など需給が不安定な品目については国内生産を支援するよう検討すると述べました。

第三、サプライチェーンにおけるコア技術の国産化を図り、技術保護を強化するとしました。先端戦略産業とコア品目に関わる技術については政府によるR&D財政支援を引き続き拡大し、現在、税額控除の対象である新成長・源泉技術・国家戦略技術にサプライチェーンにおけるコア技術を追加することを検討すると述べ、防衛産業及び基幹産業の技術と特許の流出を防ぐために罰則の強化など関連制度を見直すと述べました。

最後に、IPEFサプライチェーン協定、MSPなど国際協力を積極的に推進し、サプライチェーン基金や公的な開発援助(EDCFなど)を通じた協力事業を発掘するとしました。

チェ副総理は、締めくくりの言葉として、政府は上記の戦略を基に今後3年間にわたる実行計画が盛り込まれた「サプライチェーン安定化基本計画」を下半期に確立する考えであるとし、コア品目や先端産業、食糧、物流など各分野にかけて実効性のある対策を講じていくと強調しました。

企業訪問及び懇談会

チェ副総理は、サプライチェーン委員会の行事とは別件で、今年6月24日、二次電池のコア素材である陰極材を生産する株式会社ポスコケミカル※の世宗(セジョン)工場(世宗市所在)を訪問し、生産施設を見学し業界関係者と懇談会を開きました。
※陰極材の原材料である天然黒鉛及び人工黒鉛の輸入多角化と国産化を推進

チェ副総理は「二次電池産業は、韓国経済の未来を担うコア産業でありながらも、原材料の対外依存度が高い分野であるため、今後、政府は業界と緊密な意思疎通を図ることで韓国企業による海外鉱物資源の確保、国内での代替生産などを積極的に支援していく」と述べました。

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