知的財産ニュース 韓国特許庁、オンライン上で流通される海外模倣品取締りに参加する企業を募集
2024年2月28日
出所: 韓国特許庁
2023年にはオンライン上の模倣品16万件を遮断、約4,000億ウォンの被害を防ぐ成果を上げ
韓国特許庁は、2月28日水曜日から3月15日金曜日まで、海外での模倣品流通を防止するためにオンライン上で販売される模倣品の取締り活動に参加する企業を募集すると発表した。
最近、K-POPなど世界的に広まっている韓流ブームから韓国製品が人気を博しているにつれ、K(韓国)-ブランドの模倣品被害が相次いでいる中、今回の事業を通じてオンライン上の模倣品取締りにさらに有効に対応できると期待される。
特許庁の韓国知識財産保護院は昨年、オンライン上の模倣品による被害届を207件受け付けた。38か国(77の電子商取引プラットフォーム)および4種類のSNS(インスタグラム、フェイスブック、X、TikTok)で流通されている模倣品の販売投稿約16万件(36社、52のブランド、製品376点)を遮断して約4,000億ウォンの経済被害を予防する成果を上げた。
<2023年度オンライン上のK-ブランドの模倣品に関わる販売投稿の遮断状況>
今年は、①オンライン上で流出される模倣品の遮断に向けた韓国の輸出企業への支援拡大、②海外直接購入(個人輸入)の際に起こり得る模倣品被害の予防や支援拡大など、K-ブランドの模倣品被害への支援をさらに強化する方針だ。
①「オンライン上の海外模倣品の遮断支援事業」では、中国、東南アジア、アメリカ、ヨーロッパ、中南米など世界114か国で運営されている1,604のプラットフォームを対象に模倣品のモニタリングおよび遮断に関わる活動を今年は250件と拡大※して支援する。
※オンライン上の海外模倣品の遮断支援件数:(2023年)207件→(2024年)250件
海外プラットフォームで模倣品による被害を受けた企業が支援対象となり、事業参加への申し込みの際には自社のニーズに応じて、模倣品をモニタリングする人工知能(AI)および専門人材などを保有する専門企業※をリストから選ぶことができる。
※専門企業(6社):React, Lifang Argus, MarqVision, IPSPACE, Wegofair, faikerz
②海外プラットフォーム上で自社の模倣品が流通されているかどうか判断が難しい場合は、「オンライン模倣品流通の事前診断サービス」を利用してネット上で出回っている模倣品の現状調査を無料で受けることができる。
事前診断の結果、模倣品流通による被害が深刻な企業が「オンライン上の海外模倣品の遮断支援事業」に参加を申し込み、より専門的かつ体系的な支援を受けることができる。
今年からは支援の範囲を従前の中国・東南アジアからアメリカなどのプラットフォームにまで拡大し、最近、模倣品による被害が相次ぎ問題になっている、海外直接購入(個人輸入)サービスを提供するプラットフォームのアリーエクスプレスに関わる件は別途申請を受けて支援する方針だ。
この支援事業は、韓国内で事業者登録をしており、支援事業の対象国で活用できる知的財産権を保有する韓国企業であれば申請できる。
特許庁の産業財産保護協力局長は「コロナ禍以降、模倣品の流通がオンライン上で急増している」とし、「今後もオンライン上で発生するK-ブランドの模倣品被害への対応を、輸出企業を中心に拡大していく」と述べた。
オンライン上の模倣品被害への対応支援事業に関する詳細は、海外K-ブランド保護ポータルに掲載されており、特許庁(電話:042-481-5278)や韓国知識財産保護院(電話:02-6196-2051)に問い合わせできる。
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