知的財産ニュース 国際知識財産研修院、新技術教育で国家先端戦略産業を支援する2024年教育訓練計画を策定

2024年2月26日
出所: 韓国特許庁

需要者のニーズに応じた教育カリキュラムの開発・実施により融合人材を育成

韓国特許庁の国際知識財産研修院は、未来社会が求めるクリエイティブな融合人材を育成するために、教育カリキュラムを審査・審判官をはじめ需要者のニーズに応じた内容に改善していくと述べた。

研修院は今年、326回の集合教育と206のデジタル教育を行い、①職員の力量および専門性強化、②公共・民間分野のニーズに応じたカリキュラムの実施、③ユーザーフレンドリーなデジタル教育環境づくり、④世界知的財産保護に向けた教育協力の拡大に焦点を当てて進めていく方針だ。

特許庁:二次電池分野の新規審査官向けコースなどを実施し、国家先端戦略産業の高い競争力を維持

主要国の技術覇権争いや知的財産権の先取り競争を受けて、審査、審判、政策など知的財産の全般において職員の専門性を高めるための教育コースを運営する。

国家先端戦略産業分野の強い競争力や権利化を支援するために、半導体、ディスプレイ、二次電池、バイオ分野に関する新技術コースを新設し、二次電池分野※の民間専門人材の採用時期(2024年6月)に合わせて新規審査官向けコースを実施する。
※計7つの分野(①セル構造設計および組立工程、②蓄電池用パッケージング・周辺機器、③BMS、ESS・廃棄電池、④電極構造・生産、⑤電極素材・無機材料、⑥電解質・有機化合物、⑦分離膜・高分子材料)

また、コロナ禍で拡大したテレワークにより低下した職員同士のつながりを活性化するために対面教育を増やしていく。

公共・民間分野:技術奪取など社会問題へ対応するために実務者向け教育コースを改善

技術奪取、営業秘密の漏洩など最近注目されている社会問題に対応できるよう知的財産実務者向け教育コースを見直し、全国的に実施されている知的財産関連サービスが円滑に機能できるよう、自治体、捜査・取締り機関、国防部などを対象に知的財産に関する法律、制度、実務教育を強化するなど、部署・機関間で緊密に連携する教育を行っていく。

デジタル教育:知的財産学のオンライン受講の環境改善および人工知能など新規コンテンツの提供

いつでも誰もが知的財産を学習できるようデジタル基盤の教育を強化する。

知的財産学のオンライン受講の環境を改善し、受講者同士で授業の情報や就職状況を共有できるようネット掲示板を設け、円滑な受講環境に向けた機能改善を進める計画だ。
※管理者ページの個人情報へのアクセス権限、教授のアクセス履歴閲覧機能など改善、相対評価基準の変更によるルールやシステム改善など

さらに、最近の法律・制度・事例を反映して従前のコンテンツをアップデートし、人工知能、メタバースなど最新の技術発展の動向を踏まえた新しいコンテンツを制作・普及し、韓国IT大手ネイバーや大田広域市などと協力して小規模事業者などこれまで知的財産教育を十分に受けられる環境にいない教育需要者に対する教育を強化していく。

国際教育:中小企業向け教育コースの強化および国際協力強化により友好な国際環境づくり

韓国企業の知的財産権保護強化に向けて海外へ輸出する中小企業を対象に教育コースを強化し、警察大学、司法研修院などと業務協約を進め、開発途上国の関係機関が知的財産に関わる職務能力を高めることができるよう外国人向け教育を拡大する方針だ。

ほかにも、開発途上国のニーズに応じたコンテンツを開発・提供し、韓国・日本・中国との国際教育協力を高め、韓国に友好な国際環境づくりを積極的に支援していく。

特許庁の国際知識財産研修院長は「米中覇権争いにより各国が最先端技術の移転を制限するなど技術保護の壁が高まっているため、知的財産権保護の重要性が増している」とし、「研修院は知的財産人材が国家技術競争力の原動力になれるよう、現場との意思疎通を重ねて引き続き積極的な行政活動を進め、需要者のニーズに応じた教育カリキュラムを開発・実施できるよう努力していく」と述べた。

2024年度知的財産教育訓練計画の詳細については、国際知識財産研修院ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます※にて確認できる。
※国際知識財産研修院>顧客センター>資料室>年間教育訓練計画

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、柳(ユ)、李(イ)、半田
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195