知的財産ニュース 特許出願世界3位への飛躍でダイナミックな経済成長を引っ張る

2022年8月18日
出所: 韓国特許庁

新政権の知的財産政策の方向

主要内容

基盤が堅固な審査・審判

  • 半導体退職専門人材の特許審査への投入、バッテリー・生命工学(バイオ)などの先端戦略産業に拡大→審査の専門性は向上、海外技術流出は防止
  • 半導体などの先端技術特許の優先審査→早い審査で市場の早期先取りを支援
  • 巨大人工知能(従来比100倍の処理能力)基盤の知能型審査システムを構築→類似特許・商標検索精度の向上、方式審査の自動化

科学・産業界が実感する知的財産サービスのイノベーション

  • 特許ボックス制度や職務発明支援など、技術イノベーション企業の成長を支援
  • 2027年まで知的財産金融を23兆ウォン(2021年6兆ウォン)に大幅拡大
  • 国家コア技術の流出を防止するための「秘密特許制度」の導入を推進

韓国企業の知的財産基盤海外進出の支援を強化

  • 新興市場のベトナム・インドに特許官を派遣するなど、海外知的財産保護を強化
  • 海外Kブランドの偽造品取り締まりを100個以上の世界電子商取引プラットフォーム(既存8個)に大幅拡大

韓国特許庁は、8月18日木曜日に新政権の知的財産分野総合計画「ダイナミックな経済の実現に向けた知的財産の政策方向」を発表した。韓国経済の成長ポテンシャルとダイナミズムを回復させ、新政権の産業・経済政策を後押しするために、「知的財産でダイナミックな経済成長を実現」という政策目標の下、3大戦略8の最重要課題を導き出した。

戦略1.基盤が堅固な審査・審判

第一に、特許庁ならではの業務である審査・審判に集中するための基盤をしっかりと固めていくことで、無効にならない強力な知的財産を創出する。半導体分野の退職した民間研究人材を特許審査に投入し、それをバッテリー・生命工学(バイオ)などの先端戦略産業分野に拡大(※)することで、審査の専門性と迅速性を向上させ、海外への技術流出を防止する考えである。また、半導体などの先端技術を優先審査対象に拡大して審査期間を大幅に短縮(※※)させることで、韓国企業が先端技術分野の特許を先取りできるように支援する。
※(2023年)半導体→(2024年~)バッテリー、第5世代移動通信システム(5G)・第6世代移動通信システム(6G)、水素、先端ロボット、生命工学(バイオ)、宇宙・航空
※※半導体の審査処理期間を10.2か月短縮(従来12.7か月→優先審査2.5か月)

一方、高性能の巨大人工知能を取り入れた知能型審査システムを2027年まで構築することで、従来の人工知能に比べ類似特許・商標検索の精度を大幅に向上させ、方式審査(※)を自動化させて審査業務を支援する。
※出願主体の適否、提出された書類の記載方式及び添付書類などが、法令が定めている方式上の要件を満たしているかを審査すること

戦略2.科学・産業界が実感する知的財産サービスのイノベーション

第二に、知的財産の創出・活用・保護全般にわたって韓国企業が知的財産を基盤に安定的に成長できる環境を作る。

創出

特許ビッグデータを分析して有望技術を見出し、国家研究開発(R&D)の方向樹立の支援を拡大(※)するとともに、コア技術を開発する産・学・研向けに標準特許戦略支援を拡大(※※)する。一方、中小企業を対象に職務発明制度のコンサルティング支援事業を拡大(※※※)し、知的財産を事業化して世界的な強小企業に成長するよう支援する特許ボックス制度(※※※※)の導入を推進する。
※(2022年)宇宙・航空、デジタルヘルスケアなど→(2023年)半導体、ディスプレイ、二次電池など
※※(2022年)55個→(2027年)150個
※※※(2022年)278件→(2027年)500件
※※※※特許ボックス(Patent Box):企業が知的財産権を事業化して発生した所得に対して租税を減免する制度で、オランダ・アイルランド・英国などが導入・施行中

活用

知的財産価値評価の信頼性を高めて知的財産金融と取引を活性化させることにより、優秀な知的財産を保有している中小・ベンチャー企業の成長を支援する。「知的財産評価管理センター」を2023年から設置・運営、「評価機関等級制度」の適用など、発明の評価機関の知的財産価値評価能力を強化する。発明の取引・評価機関および金融機関から取引・評価・財務情報を収集し、それを活用して2025年まで人工知能基盤の知的財産価値評価システムを構築する。中小・ベンチャー企業向けに知的財産金融の規模(※)と知的財産価値評価(※※)に対する費用支援事業も拡大する。
※(2021年)6兆ウォン→(2027年)23兆ウォン
※※(2022年)2,500件→(2027年)4,200件

保護

知的財産が企業の成長安全弁としての役割を果たせるように、知的財産保護制度を改善する。弁理士を弁護士と共に共同代理人として選任して特許侵害訴訟に効果的に対応できるよう共同訴訟代理制度を導入し、メタバースの中のデザイン・商標を保護できるように制度を改正するなど、デジタルトランスフォーメーション時代にふさわしい知的財産保護体系を構築する。国家コア技術の海外流出を防止するために、営業秘密の海外流出に対する処罰を強化(※)し、国家コア技術が特許出願の後、海外に流出しないように秘密特許制度(※※)の導入を推進する。
※国家安全保障などの理由で特許出願された発明を秘密として扱って公開せず、海外特許出願を制限する制度で、米国・中国・日本などが運営している

デジタルトランスフォーメーションに伴うデザイン保護対象の拡大
従前 - 現行 - 今後
物品に適用されたデザイン - 物品と分離された画像デザイン - メタバースの中のデザイン
物品に適用されたデザインのキーボード 物品と分離された 画像デザインの仮想キーボード メタバースの中のデザインのキーボード
キーボード - 仮想キーボード - アバターが使用するキーボード

戦略3.韓国企業の知的財産基盤海外進出の支援を強化

第三に、韓国企業が知的財産を基盤に海外に成功裏に進出できるよう積極的に支援する。知的財産権の重要性が高い地域を基準に特許官の派遣を拡大(※)し、地域別にIP-DESKを運営・改編(※※)して現地で知的財産権を侵害された韓国企業を体系的に支援する。海外Kブランドの偽造品モニタリングを大幅に強化(※※※)し、韓国企業に海外企業による技術分野別の紛争リスクを事前に提供および特許不実施主体(NPE)の特許無効の資料調査などを支援する。
※(2022年)米国・欧州連合など5か国→(2027年)ベトナム・インド・メキシコなど8か国
※※(2022年)地域IP-DESK17か所→(2024年)6つの地域のIP-DESKを拠点型IP-DESKへと転換(北米、欧州、中南米、中央アジア、東南アジア、中東・アフリカ)
※※※(現行)8か国、8の電子商取引プラットフォーム→(改善)20か国、100の電子商取引プラットフォーム

また、湾岸協力会議(GCC)や南米などに韓国型知的財産システムの輸出を拡大(※)することで韓国企業が韓国国内と類似の制度で知的財産の保護を受けられるようにし、世界知的所有権機関(WIPO)に韓国人専門家の進出を拡大することで韓国企業にとって有利な知的財産の国際規範が形成されるようにし、途上国との国際協力を強化する。
※輸出国:(2022年)UAE・サウジアラビア→(2027年)2か国(GCC・南米など)に追加輸出

韓国特許庁長は「知的財産は、先進国のさまざまな実証研究からわかるように、経済の成長ポテンシャルを回復させる鍵であり原動力であると同時に、技術覇権時代での国と企業の競争力の源泉だ」と強調した上で、「これから、知的財産の基盤を一層固め、ダイナミックな経済成長をけん引していきたい」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
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