知的財産ニュース 危機に強い韓国企業の特許競争力

2022年6月21日
出所: 韓国特許庁

2021年主要国向け特許出願は鈍化している中、韓国は増加を維持

持続的な新型コロナウイルス感染症の影響で米国や日本などの主要国の特許出願率は鈍化・減少している中、韓国の出願率は増加した。

韓国特許庁は6月21日、世界特許分野の5大先進国協議体であるIP5(※)が共同で発表した「鍵となるIP5統計指標2021」によると、2021年のIP5特許出願は計289万件と、前年比約4%増加したと発表した。韓国に受け付けられた出願は計237,998件と、前年比5%増加し、米国(-1%)、日本(0.3%)、欧州(4.6%)より相対的に高い増加を示した。
※特許出願上位5か国の韓国(KIPO)、米国(USPTO)、欧州(EPO)、日本(JPO)、中国(CNIPA)特許庁間の協議体
※※(2020年)IP5特許出願:2,789,915件、全世界の特許出願:3,276,00件(IP5/全世界:85.1%)

特に、韓国に受け付けられた外国人の特許出願は中国人47.5%、米国人16.2%と、前年比大幅に増加した。日本人はIP5のうち韓国に受け付けられた出願のみ唯一1.1%増加し、他はいずれも減少した。

2021年韓国に受け付けられた外国人の特許出願件数
2019 2020 2021 前年比増加率 前年比増加量 増加寄与度
中国人 3,878 4,268 6,294 47.5% 2,026 36.2%
米国人 13,073 13,097 15,512 18.4% 2,415 43.2%
欧州諸国 12,259 11,450 12,448 8.7% 998 17.9%
日本人 15,000 14,014 14,165 1.1% 151 2.7%
合計 44,210 42,829 48,419 13.1% 5,590 100.0%

韓国に受け付けられた米国人・中国人の主要出願分野は、共通的にビデオゲーム、オーディオ・映像、測定(半導体工程、自動運転など)分野である。これは、全世界の先端技術市場での韓国のシェア率が拡大することに伴い、韓国が特許権の獲得による市場進出の成否を分ける主要な舞台になったという意味として見ることができる。

2021年米国人、中国人の特許出願における技術分野別の増加率TOP5
米国 米国 米国 中国 中国 中国
技術分野 増加率 出願件数
2020年→2021年
技術分野 増加率 出願件数
2020年→2021年
表面技術/コーティング 57.8% 230→363 ビデオゲーム 166.2% 65→173
機械操作 48.2% 139→206 オーディオ/映像技術 142.7% 241→585
ビデオゲーム 36.7% 199→272 測定 108.5% 82→171
測定 31.3% 422→554 人工知能 107.6% 486→1,009
オーディオ/映像技術 23.4% 542→703 運送 58.8% 85→135

国籍別の特許出願指標を見ると、IP5に対する韓国人の出願は計256,472件と、前年比2.5%増加し、中国に対する出願率は5.8%、欧州は3.2%増加したものの、米国に対する出願率は2%減少した。これは、米国などの世界主要国を対象に出願を集中していた慣習から抜け出し、韓国企業が急変する経済および技術環境に合わせて柔軟に知的財産経営をした結果と解釈される。
※2021年韓国人のIP5への出願/増加率:(中国)17,691件/5.8%、(欧州)9,394件/3.2%、(日本)5,936件/0.9%、(米国)37,197件/-2%、(韓国)186,254件/3.2%

特許庁の情報顧客政策課長は「韓国企業が世界主要国の経済状況・流れと連携した研究開発(R&D)投資を通じて特許の権利化を推進していることは非常に肯定的だ」とした上で、「ただし、外国企業が測定(半導体工程など)やオーディオ・映像などの有望技術分野で韓国国内の特許出願を増やせば今後特許紛争をもたらしかねないため、それに対する徹底した対応策が必要だ」と述べた。

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