知的財産ニュース 4月20日から変わる知的財産権の権利回復

2022年4月20日
出所: 韓国特許庁

通信障害により登録できなかった商標権、回復できるか?

商標を出願したA氏は、最近困ったことがあった。登録決定された商標の登録料納付を納付期限当日にB法律事務所に依頼したが、予想外のインターネット通信障害により登録納付書が提出されなかったのである。納付期限が過ぎた数日後、納付書が提出されなくて商標が登録されなかったことが分かったB法律事務所は、直ちに韓国特許庁に納付書と事由書、証拠資料を提出した。
韓国特許庁は、特許法・商標法・デザイン保護法を改正し、知的財産権の権利回復要件を従来の「責任を負えない事由」から「正当な事由」に緩和して4月20日から施行することを明らかにした。

知的財産権の活用や管理方法が多様化し、顧客の目線に合わせた合理的な権利回復制度が必要となったことを踏まえ、積極行政の一貫として推進された。

上記の事例のように、本人でなく代理人に発生した事件であり、期間を過ぎて特許・実用新案・商標・デザイン権の出願・登録・審査・審判手続きが中断された場合、

過去には「責任を負えない事由」に該当しないため権利回復ができなかったが、これからは「正当な事由」に該当することができて一定の要件を満足する場合には権利回復ができるようになる。

韓国特許庁は、知的財産権の権利回復を希望する出願人、権利者、代理人など向けに「知的財産権の権利回復審査指針(ガイドライン)」をウェブサイトから配布する。
韓国特許庁ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます→冊子/統計→刊行物→知的財産審査基準/マニュアル

指針(ガイドライン)は、弁理業界、知的財産学界の意見を収集して作成し、権利回復申請、権利回復期間及び要件審査、権利回復審査事例などについて紹介している。

「権利回復申請」では、出願人などが期間を過ぎた後、改めて手続きをしようとするときに提出する期間経過理由書の記載事項、作成方法について記載しており、

「権利回復審査事例」では、権利回復類型を天災地変など、人為的な過失、その他事件の三つに分けて、具体的な事例を中心に説明している。

韓国特許庁の情報顧客支援局長は、「知的財産権の権利回復要件の緩和が実質的な権利回復に寄与することを期待し、これからも関連学界や弁理業界の意見、海外の最新動向などを指針(ガイドライン)に反映して持続的に現行化する計画である」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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