知的財産ニュース データの取引秩序を確立するための改正不正競争防止法が施行される

2022年4月19日
出所: 韓国特許庁

韓国特許庁、改正不正競争防止法に関するオンライン説明会を開催(4月20日)

現在、データは金融資本と肩を並べる必須資本として浮上している。データ確保において競争力を持つ企業が人工知能、モノのインターネットなど第4次産業を先導しており、主要国はデータの確保を経済安全保障に直結する問題として認識し、自国環境に合わせて関連法制を整備している。
※(米)海外における米国企業のデータへのアクセスを保障するための「CLOUD Act」を制定(2018年)
(日)限定提供データの不正取得・使用・公開行為を不正競争行為として規定(2018年)
(中)中国内におけるデータの保護・検閲を強化するための「ネットワーク安全法」を施行(2017年)
韓国特許庁は、データを不正に取得・使用する行為を不正競争行為として規律する改正『不正競争防止及び営業秘密保護に関する法律』(以下、「不正競争防止法」)が20日(水曜)から施行されることを明らかにした。

不正競争防止法改正は、韓国のデータ産業の発展と企業成長に向けた努力の一環として、企業が安心してデータの取引・流通できる環境を構築することを目的とする。

この度施行される改正不正競争防止法は、取引を目的として生成したデータを不正取得・使用する行為を不正競争行為の類型として新設したものである。

改正法により、データの不正取得・使用行為について、裁判所に不正競争行為の禁止・損害賠償などが請求できるようになり、韓国特許庁に行政調査を申請して是正勧告・公表などの救済措置も受けるようになる。

保護対象であるデータは次のように限定される。特定対象に提供することを目的として生成されたものであり、ID・パスワード設定によりアクセスを制限するなど電磁的に管理されなければならず、相当量蓄積されて経済価値を有し、秘密として管理されていない技術上・営業上の情報に関するものである。

例示:保護対象となるデータ

ウェブサイトを運営する企業がサイトに加入した会員に限って経済的利益を目的として提供するデータは保護対象となることができる。しかし、誰もがアクセス・活用できるデータは、保護対象とならない。過度な規制は逆にデータ取引の活性化を妨害するからである。

一方、韓国特許庁は、国民の理解を深めるための積極行政の一環として改正法施行日に(20日)説明会を開き、改正不正競争防止法と密接に関連するデータ産業法及び産業デジタルトランスフォーメーション法についても議論する予定である。説明会は韓国特許庁のユーチューブチャンネル外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを通じて誰でも視聴できる。

韓国特許庁長は、「改正不正競争防止法は、従来の知的財産制度では保護できなかったデータに対する新たな安全装置となる」とし、「今後改正法についての質疑応答(Q&A)集及びデータ取引標準契約書などを作成して配布するなど、改正法が安定的に定着するように努力する」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、柳(ユ)、李(イ)、半田
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195