知的財産ニュース 韓国特許庁、世界で最もイノベーティブな知的財産機関に選定

2022年1月13日
出所: 韓国特許庁

危機下で輝くデジタル知的財産競争力、世界から認められる

韓国特許庁は、WTR(※)(World Trademark Review)が全世界の主要特許庁を対象に評価(※※)して発表した2021年度知的財産イノベーションランキングで、韓国特許庁が欧州連合知的財産庁(EUIPO)と共同で1位を獲得したと発表した。
※2002年に創刊された英国の知的財産専門誌
※※2017年から毎年各国特許庁のオンラインサービス能力、商標権保護・活用政策、ユーザーコミュニケーション努力の3分野16指標に対して専門家の評価および独自の情報収集過程を実施

韓国は世界で初めてモバイル商標出願システムを導入するなど(2020年)、持続的なイノベーション努力により2019年6位、2020年3位と着実にランクインし、2021年度の評価では初めて世界1位を獲得する快挙を達成した。

2020年度の商標出願上位60カ国の特許庁を対象に行われた今回の評価で、前年度に1位を取ったシンガポールが3位、英国が4位、日本が12 位、米国が13 位を獲得した。

主要国別順位表、()は2020年の順位
区分 韓国 欧州 シンガポール 英国 日本 米国 フランス 中国
順位 1(3) 1(2) 3(1) 4(3) 12(12) 13(8) 14(14) 18(17)

韓国特許庁は今回の評価で、ウェブサイト利用の利便性、電子出願サービスの提供、人工知能(AI)を活用した検索システムなどを含むオンラインサービス能力分野で前年度(6位)より5段階上昇した1位となった。また、商標制度説明会の開催、出願人対象のソーシャルネットワーキングサービスなど、利害関係人とのコミュニケーションレベルを測るユーザーコミュニケーション努力分野でも順位が大幅に上昇し、前年度の23位から今年は1位となった。

特許庁はこれまで、審査官向けの人工知能基盤の商標画像検索システムを独自開発して審査品質を高めるために取り組んでおり、電子出願システムを持続的に改善して2021年度には商標出願件数の98%がオンラインで出願されたものと調査された。

さらに、新型コロナの長期化に伴う非対面の日常化により、オンラインを通じた偽造商品の流通が急増するにつれて、これを防止するためのオン・オフライン取り締まりも強化している。

特許庁長は「今回のWTR知的財産イノベーションランキング1位の達成は、出願人の利便性および審査業務の効率性の向上に向けた特許庁のイノベーティブな努力が高く評価されたためだ」とし、「特許庁は今回の成果に安住することなく、急変するデジタル環境の中で人工知能などの新技術を積極的に取り入れるとともに利害関係人とのコミュニケーションを強化して、出願人により質の良いサービスを提供し、知的財産権が効果的に保護・活用される環境を整えるために努力する」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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