知的財産ニュース IP金融、新型コロナ対応企業への支援効果目立つ

2021年12月14日
出所: 韓国特許庁

韓国特許庁、IP金融を通じて新型コロナ対応企業9社に291億ウォン支援

[事例1]A企業は分子のハサミの改良特許を保有している企業で、IPの価値評価を通じて20億ウォンのIP担保融資を受け(2020年3月)、新型コロナワクチンの候補物質を開発している。最近(2021年9月)、A企業のワクチンの候補物質に対する動物実験の結果が国際ジャーナル(Vaccines)に掲載された。
[事例2]B企業は抗ウイルス物質のコア特許を保有している企業で、親ファンド特許アカウントの子ファンドから30億ウォンの投資を受け(2021年1月)、新型コロナ治療薬を開発している。最近(2021年11月)、インドネシアの臨床試験(第2相)で症状の改善効果が確認された。
[事例3]C企業は迅速検査キット開発企業で、親ファンド特許アカウントの子ファンドから6億ウォンの投資を受け(2017年12月)、新型コロナの迅速検査キットを開発(2020年3月)した。それに続いて新型コロナとインフルエンザを同時に検査する迅速検査キットを開発(2020年7月)し、2021年10月時点で米国など約50カ国に輸出している。
IP金融が新型コロナ対応企業(ワクチン、治療薬、検査キット関連中小企業)の事業化資金調達および企業成長に貢献したことが明らかになった。
※IP金融:企業が知的財産権をもとに資金を調達する金融活動のことで、企業が保有しているIPの経済的価値を評価し、金融機関が評価されたIPに基づいて保証・貸付・投資を実施

韓国特許庁によると、特許庁はIP金融を通じて2021年10月までに新型コロナ対応企業9社に計291億ウォンを支援した。具体的には、新型コロナ治療薬開発企業3社に115億ウォン、ワクチン開発企業1社に20億ウォン、検査キット生産企業5社に156億ウォンを支援したことが確認された。このような成果は、特許庁が新型コロナ対応企業などを対象に迅速な支援手続きを運営し、支援規模を拡大した結果である。

特許庁は2020年2月から新型コロナ対応企業などを対象にIP金融支援に向けたIPの価値評価を優先的に提供し、銀行界と協力して貸付審査も速やかに進むように支援した。また、親ファンド特許アカウントを通じたIP投資の規模を持続的に拡大した。
※親ファンド特許アカウントの子ファンドの投資規模(億ウォン):2019年1,152→2020年2,088

特許庁の産業財産政策局長は「これからも優秀な知的財産を保有している新型コロナ対応企業などが知的財産をもとに資金を調達してグローバル競争力を備えていけるよう、IP金融の拡大に取り組む」と述べた。

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