知的財産ニュース コロナ禍にも関わらず知的財産権の国際出願は活発

2021年9月30日
出所: 韓国特許庁

国際特許出願世界4位、国際商標出願10位、国際デザイン出願1位

韓国特許庁は最近、世界知的財産所有機関(WIPO)の国際出願統計を分析し、2021年上半期の知的財産権の国際出願動向を発表した。

特許などの知的財産権は、登録を受けた国でのみ権利行使(属地主義が原則)が可能であるため、海外進出に死活をかける韓国企業は、海外の知的財産権の迅速な確保が非常に重要である。

国際出願制度は、特許に関するPCT国際出願、商標に関するマドリッド国際出願、デザインに関するハーグ国際出願があり、一つの出願書を提出すれば、複数の国で同時に出願した効果を付与する制度である。

韓国の上半期におけるPCT(特許協力条約)国際特許出願の件数は、計8,466件であり、中国(3万1,491件)、米国(2万9,762件)、日本(2万5,434件)に次いで世界第4位を占めた。これは、2020年に初めてドイツを抜いて4位になった後、それを維持した記録であり、韓国がグローバル特許大国としての地位を強固にしていることを示す指標として意味深い。

また、マドリッド国際商標出願の件数は計977件で、前年同期より約300件が増加し46%という高い増加率を示しており、順位も前年同期比で二段階上昇し、初めて世界10位の国に進入することができた。これは韓国が2010年20位圏内に入った後、10年ぶりに成し遂げた成果である。このように、グローバル商標出願が急増している理由は、韓国企業の海外進出が拡大するにつれて、商標を国際的に保護するための積極的な取り組みであると解釈される。

最後に、ハーグ国際デザイン出願の件数は、韓国が1位(497件)を占めたが、韓国は2016年から続けて、この分野の1位の維持している。

特許庁の国際出願課長は、「韓国の特許、商標、デザインでの活発な国際出願は、新型コロナウイルスによる全世界的な景気低迷にも関わらず、韓国企業がグローバル競争力の強化に向けて、海外の知的財産権を積極的に確保していることを示している」と述べた。

また、「特許庁は、それをサポートするために、国際出願の説明会、地域知識財産センターの教育、国際出願統合ニュースレターの発刊などといった積極的な行政サービスを提供しており、今後も国際出願の重要性を広報するために多角的な努力をしていく計画である」とコメントした。

「添付」国際出願の現況PDFファイル(452KB)

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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