知的財産ニュース 特許庁、白物家電分野における特許性判断の事例集を発刊

2021年8月26日
出所: 韓国特許庁

白物家電分野の特許競争力を強化できるガイドラインになると期待

米国の特許出願件数1、2位という特許競争力の影響で、市場シェアも1、2位を占めている

韓国特許庁は、「白物家電分野における特許性判断の事例集」(以下、「事例集」)を発刊すると発表した。

最近、韓国の家電メーカーが海外市場においてグローバル家電メーカーと激しく競争しており、市場での優位を占めるための優秀な技術力とそれを後押しする特許競争力の重要性が増している。

グローバル家電市場の最大の激戦地である米国で、ここ10年間、韓国の家電メーカーによる白物家電分野の特許出願が着実に増加していると調査された。

特に、洗濯機と冷蔵庫分野の特許出願を見ると、韓国の家電メーカーが1、2位を占めており、最近、米国家電市場での目覚ましい活躍(市場シェアサムスン電子1位、LG電子2位)の裏には、このような強力な特許競争力があると分析できる。

※米国の生活家電市場における2021年第1四半期の市場シェア:サムスン電子21.0%、LG電子19.0%、ジェット16.5%(市場調査機関のTraQline、2021年6月)
※※LG電子は、2021年上半期に売上高13兆5000億ウォンを達成し、グローバル最大のライバルであるWhirlpoolの11兆9000億ウォンを超えている。(業界実績発表資料参照、2021年7月)

しかし、全世界市場に範囲を広げると、中国の家電メーカーがIP5(日米欧中韓)の国で特許出願件数の1、2位を占めており、韓国の家電メーカーが米国を超え世界市場をリードするためには、グローバル特許競争力をさらに強化する必要がある。

白物家電分野は、研究開発に莫大な投資と時間がかかるが、簡単に模倣することができる。そして、厳しい特許性判断により特許取得のハードルが高いため、グローバル競争から遅れてしまう恐れがあると、韓国の家電メーカーは持続的に主張していた。

また、第四次産業革命の技術を結合した最先端の融合・複合発明については、明確な特許性の判断基準を確立する必要があると意見を提示してきた。

事例集は、このような産業界の意見を反映して、白物家電分野において特許性を判断する主要な論点別に実際の判断事例とガイドを提示することで、家電メーカーが特許獲得の戦略を策定することに役立つように作成された。

例えば、微細粉塵の除去とセンタープレスラインの機能を備えている衣類ケア家電、下洗い機能を備えた洗濯機のように新たな機能を追加した既存の家電製品などがある。また、外でも中を確認するなどのリモート操作ができる、通信機能付きの冷蔵庫など、人工知能とIoTが結合された家電製品に対する特許性の判断事例が盛り込まれている。

当事例集により特許性の判断基準に対する認識を産業界の認識と合わせることで、企業のイノベーションがグローバル特許競争力の強化につながる道しるべとなるものと期待される。

特許庁の家電製品審査課の審査官は、「気候・環境と生活スタイルの変化、コロナ禍によるテレワークの増加による新たな需要の拡大により、白物家電市場の技術競争がさらに激しくなっており、それに関する特許出願がこれからも増えていくと見込んでいる」と述べた。

そして、「特許庁は、韓国の白物家電業界と積極的にコミュニケーションを取り、K-家電が世界市場を魅了することができるよう、特許競争力の確保に向けて一緒に取り組んでいきたい」とコメントした。

事例集は、特許庁のウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで誰でもダウンロードすることができる。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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