知的財産ニュース 上半期の知的財産出願12.3%増、2021年に初めて60万件を突破する見通し
2021年7月14日
出所: 韓国特許庁
新型コロナウイルスの拡散という厳しい状況にも関わらず、2021年の韓国国内における知的財産(※)出願は、中小・ベンチャー企業を中心に、その勢いを増していることが分かった。
※特許、実用新案、デザイン、商標を含む
韓国特許庁は、2021年上半期の韓国国内における知的財産出願件数が計284,135件で、前年同期に比べて12.3%増加したと発表した。
これは、2020年の9.1%より3.2ポイント(※)高い数値で、新型コロナウイルスによる厳しい経済状況の中でも知的財産に対する韓国企業の関心と積極的な活動が2021年も続いていると見て取れる。
※2020年上半期の出願増加率(4.5%)と比較すると、7.8ポイント高い数値。(2020年上半期の増加率は4.5%、全体の増加率は9.1%)
権利別に見ると、商標が14万3,652件で18.9%という飛躍的な上昇を見せており、特許も10万6,657件で7.4%という高い増加率を記録した。
出願人の類型別に見ると、中小・ベンチャー企業が全体の知的財産出願の増加をけん引するイノベーションのリーダーであることが分かる。
2021年上半期の中小・ベンチャー企業における知的財産出願は計8万7,729件で、前年同期に比べて18.6%増加し、増加率では、ここ20年間(2001~2021年)の最高値に該当する。
同期間の大企業(0.3%)、大学・公共研究機関(6.7%)、個人(13.7%)と比較すると、非常に高い数値であることが分かる。
「2020年比2021年の出願人類型別の出願(件/増加率)」
「2021年類型別の割合」
特に、ベンチャー企業は計3万493件を出願し、全体平均(12.3%)に比べて3倍に近い31.0%の増加率を示すなど、最も注目すべき成果を出している。
このように活発なイノベーション活動を傍証する出願ブームには、韓国政府の知的財産およびベンチャー企業を中心にした政策基調の一助があったと評価される。
政府は、IP金融、第2次ベンチャーブームの実現など、知的財産の競争力を確保するとともに、ベンチャー企業を集中的に育成するために、さまざまな支援政策を推進してきた。
その結果、減少傾向であった知的財産の出願が2017年を基点に増加傾向に転換され、増加幅も毎年拡大されるなど、知的財産の活動が急激に反騰する様相を見せている。
「第1‧2次ベンチャーブームと知的財産の出願動向 」
「年度別知的財産出願の増加率」
特許庁長は、「今のような傾向が続けば、2021年に初めて知的財産出願60万件を突破できると見られ、そうなると2019年50万件を達成してから、2年ぶりに成し遂げる大きな成果になる」とし、「このような出願の増加傾向は、危機に屈しない韓国の中小・ベンチャー企業のしっかりとしたイノベーション能力に基づいた、韓国経済の安定的な回復への兆しであると解釈している」と述べた。
※2003年30万件→2013年40万件(10年経過)→2019年50万件(6年経過)
また、「特許庁は知的財産の価値に対する社会的な認識がさらに広がり、韓国の中小・ベンチャー企業が強力な技術競争力を確保することができるように関連施策を積極的に推進する」とコメントした。
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
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