知的財産ニュース 新型コロナウイルスにも冷めない第四次産業革命の技術開発に向けた熱気

2021年6月7日
出所: 韓国特許庁

2020年、第四次産業革命に関連する技術分野の特許出願が11.2%増

韓国特許庁によると、2020年は新型コロナウイルスの影響にも関わらず人工知能、モノのインターネット、自律走行など第四次産業革命に関連する技術(注1)の特許が計2万503件出願され、前年(1万8,443件)に比べて11.2%増加したことが分かった。

分野別の出願件数を見ると、第四次産業革命の技術全般に活用される人工知能(5,472件)、非対面で健康管理ができるデジタルヘルスケア(5,300件)、未来の自動車のコア技術である自律走行(4,082件)に関する出願が多い。

特に、デジタルヘルスケア(3,968→5,300件)とバイオマーカー(注2)(546→722件)の分野は、前年に比べて30%以上出願されて著しく増加し、モノのインターネット(1,358→1,578件)の分野も16.2%増加した。

これは、韓国国内全体の特許出願件数(3.3%増)に比べて増加率がはるかに高く、新型コロナウイルスと高齢化のため健康に対する関心度が上がり、人工知能とモノのインターネットを中心とした第四次産業革命が広い範囲に拡大するにつれ、この分野の技術を先取りすることで新たな跳躍を目指す企業の努力が反映されていると分析される。

技術の融合・複合というトレンドに合わせ、一つの製品に複数の技術が適用された融合・複合技術(注3)に関連する特許出願も着実に増えており(ここ10年間、年平均36.7%増)、2020年は計1,263件が出願され、前年に比べて23.0%増加した。

具体的には、「人工知能とデジタルヘルスケア(500件)」、「人工知能とビッグデータ(239件)」および「人工知能とモノのインターネット(220件)」が結合された技術の出願が多く、人工知能が複数の技術と融合され、第四次産業革命の基盤技術として位置づけられていることは、数値で確認することができる。

特に、最近はデジタルヘルスケア分野における人工知能(279→500件、79.2%増)、またはビッグデータ(43→65件、51.2%増)を活用する技術出願の増加幅が大きくなっている。

ここ10年間において出願件数を基準にした分野別の主な出願人を見ると、人工知能、モノのインターネット、デジタルヘルスケア分野はサムスン電子、インテリジェントロボット分野はLG電子、自律走行分野は現代自動車の系列会社3社が最も多く出願している。また、ビッグデータ、バイオマーカー、3Dプリンティングについては、韓国電子通信研究院、農村振興庁、韓国生産技術研究院のような公共研究機関が頭角を現している。

特許庁の融合技術審査局長は、「第四次産業革命の新技術に関わる特許出願は、ここ10年間、年平均で14%以上増加しており、特に、2020年は新型コロナの状況にも出願の増加傾向を維持しているため、今後もこの分野の特許出願はさらに増えると予想している」とし、「継続的に増加している第四次産業革命の関連技術における特許出願と技術の融合・複合トレンドに備えるために、産業界が求める審査基準を設け、『3人協議審査』のような積極的な特許行政サービスを提供する」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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