知的財産ニュース 特許権の更新案内、これからは郵便の代わりにスマートフォンで受け取る

2021年6月2日
出所: 韓国特許庁

特許庁、モバイル電子通知サービスの導入を推進、2021年10月から施行

2021年10月から特許(実用新案・デザイン・商標)権を保有している権利者は、「年次(更新)登録案内書」を郵便の代わりにスマートフォンでどこでも便利に受け取ることができる。

年次(更新)登録案内書は、特許(登録)権者に権利維持に必要な情報である年次(更新)登録料の納付期限、納付金額などを事前に案内するものであり、現在は特許(登録)権者の住所地に郵送している。

しかしながら、住所地変更の届出を行っていないか、住所地と実際の居住地が異なる場合、特許(登録)権者が案内書を受け取れないことがある。そのため、納付期限が過ぎてしまって権利が消滅する被害を受けるなど、住所地に郵送する方法は根本的な限界があった。

韓国特許庁は、案内書を住所地ではなく、特許(登録)権者の本人名義のスマートフォンに転送するモバイル電子通知サービスを導入することにし、関連システムを構築すると発表した。

モバイル電子通知サービスは、個人情報の安全性を保障している。つまり、特許庁が先に案内対象者の個人情報を、暗号化した連携情報に変換して公認電子文書仲介者(※)に伝達する。その後、中継者は対象者を識別して本人名義の携帯電話に案内文を発送する方式である。

※オフラインの登記郵便のように、オンラインで電子文書の中継サービスを提供する者

システムが構築されれば、特許(登録)権者は、別途申請しなくても、年次(更新)登録案内書をNAVERやKAKAO TALKのアプリケーションで受け取ることができる。

また、特許(登録)権者の便宜のために、モバイルで案内文を確認した後、すぐ年次登録料まで納付できるようにシステムを連携する計画である。

このため、特許庁は、4月に科学技術情報通信部と韓国インターネット振興院が施行した「ペーパーレス促進モデル事業」に応募して対象機関に選定され、既にシステム構築支援などの内容で韓国インターネット振興院と協約を締結している。

一方、モバイル電子通知サービスは、個人の特許(登録)権者が対象であり、もしモバイル案内文を閲覧期限内に確認しなければ、郵便で発送する。また、法人が権利者である場合も、本人の確認が難しいため、従来のように郵送する。

2020年基準で全体の年次(更新)登録対象は、約77万件にのぼる。このうち、個人権利者の約34万件(44.1%)の案内書が携帯電話に送信される見込みである。特許庁の関係者は、モバイル発送に代わると年間約5億ウォンの郵便発送コストが削減される効果も予想できると説明した。

特許庁の情報顧客支援局長は、「モバイル電子通知サービスを導入すれば、国民が適時かつ便利に案内文を受け取ることができるだけではなく、特許権維持にも大きく役立つと期待している」とし、「書面案内に慣れている方々がモバイル案内をうまく利用できるように、10月にサービスを施行する前に広報と案内を強化する予定である」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、柳(ユ)、李(イ)、半田
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195