知的財産ニュース 第56回「発明の日」の記念式を開催

2021年5月31日
出所: 韓国特許庁

発明で危機を乗り越え、回復と包容、跳躍の道へ

  • 「金塔産業勲章」韓米薬品の代表取締役など発明有功者80人を褒賞
  • 「今年の発明王」VTOUCHの代表取締役を選定

韓国特許庁が主催し韓国発明振興会が主管する、「第56回発明の日」の記念式が5月31日(月曜)午後2時30分にソウル63コンベンションセンターで開催された。

発明の日(※)の記念式は、発明有功者を授賞し発明者のモチベーションを向上させ、国民の発明に対する意識を高めるために開催される国家行事である。

※(発明の日)1442年、世宗大王が測雨器を公式的に使用し始めた日を記念して「発明の日」を定め、記念式を開催(1957年、第19回国務会議)

「回復・包容・跳躍、知的財産がリードします」というテーマで開かれた記念式には、国務総理、国家知識財産委員長、韓国特許庁長をはじめ、発明関連団体長、発明者など100人余りが参加し、国の産業発展に貢献した発明有功者への褒賞と最高のイノベーション発明者に与える「今年の発明王」の授賞式が行われた。

2021年の記念式は、新型コロナウイルスの状況を踏まえて参加者数を最小限にし、防疫規則の遵守も徹底した。

最高の栄誉である金塔産業勲章は、韓米薬品のウ・ジョンス代表取締役が受賞した。ウ代表取締役は、30年以上、製剤研究分野に邁進しており、独自技術を用いた改良新薬の開発およびグローバル製薬会社との特許ライセンス契約、輸出など韓国の製薬産業におけるグローバル競争力の強化に寄与した功績が認められた。

銀塔産業勲章は、サムスン電子のユン・ボオンFellow(サムスンの研究分野最高職位)とSKテレコムのパク・ヨンジュ副社長が受賞した。ユンFellowは、次世代半導体プロセスの開発を通じて、半導体素材・部品・設備の国産化および技術競争力を強化し、韓国の半導体産業の発展に貢献した。パク副社長は、世界最高レベルの移動通信分野における国際標準特許を取得してロイヤルティによる収益を創出することで、国家競争力の向上に貢献した。

その他、銅塔産業勲章は、三和コンデンサ工業のユン・ジュンラク研究所長と大進コスタールのカン・ソンゴン代表取締役が受賞した。ユン研究所長は、電子産業の中核部品である積層セラミックコンデンサ(MLCC)の基盤技術に対する特許取得および製品開発に貢献することで、素材・部品・設備の分野における国家競争力を高めることに貢献した。カン代表取締役は、産業用電子情報記憶媒体の破砕機を国産化し、オフィスでも使えるように小型化することで、輸出競争力を高めて産業の発展に貢献した。

また、一年間、新技術の研究開発および創造的イノベーションにより科学技術界の模範となった、「今年の発明王」には、VTOUCHのキム・ソクジュン代表取締役が選ばれた。目と手を同時に認識し、リモコンやタッチの必要なく、ジェスチャーだけで対象を制御できる仮想タッチシステムの開発に寄与した点が高く評価された。

2021年の発明の日の行事は、発明有功者に対する政府の褒賞と付帯行事として受賞者の主な発明品を展示するとともに、「発明で跳躍する青年起業家」というテーマの特別展示も催された。

主要受賞者の発明品は、独自の技術で開発した改良新薬、革新的なCMPプロセス技術を適用して慢性不良を改善したウエハー、AIサービスの実装に必要な大規模の演算を超高速・低消費電力で行うAI半導体、最大1メートル離れた場所でも画面全体の制御が可能な仮想タッチパネル、自律走行のコア技術であえるライダーセンサーなどが展示された。

青年起業家の特別展示では、作業者の生体信号をリアルタイムで管理できる安全管理システム、点字スマートウォッチなど視覚障害者のための革新的な点字モジュール製品、プラスチック分解のためのプラスチック分解菌プレートおよび培養槽、「ピンホール原理」を利用したスマートグラスのAR機器、小型油流出処理ロボットなどが紹介された。

特許庁長は、「新型コロナウイルスによる数多くの不確実性の中でも発明者の方々の絶え間ない努力で、2020年は知的財産権の出願が(年間55万7,000件を超え)過去最高を記録した」とし「発明者とともに新型コロナウイルスの危機を乗り越えて回復と包容、跳躍の道への力強い一歩を踏み出したい」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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