知的財産ニュース 特許庁、優秀な国有特許の創出策について議論

2021年5月26日
出所: 韓国特許庁

国有特許の関係機関20ヵ所と政策協議会を開催

韓国特許庁は、農村振興庁、国立水産科学院など国有特許(※)を創出する20機関と27日に「国有特許政策協議会」を開催する。今回の政策協議会では、発明振興法の改正による後続措置について議論し、国有特許の関係機関から機関別の懸案を聴取する計画である。

※国有特許とは、公務員の職務上の発明を国が承継し、韓国の名義で出願および登録した特許・実用新案・デザインであり、特許庁が管理する。

国有特許は2021年5月現在、約8,500件であり、農業・水産業分野をはじめ医薬・バイオ分野に至るまで、さまざまな産業分野のコア技術によって構成されており、国の積極的なR&D投資で毎年着実に増加している傾向(※)である。

※国有特許の登録件数:5,651件(2016年)→8,213件(2020年)→8,500件(2021年5月)

国有特許は国家公務員が発明して韓国の名義で登録されているため、誰でも通常実施権の契約を結んで事業化することができる。特許庁は、これまで実施料の納付体系の改善(※)、専用実施契約の締結条件の明確化(※※)などを通じて民間への技術移転を活性化するために力を注いできた。

※売上発生による事後納付→前払金(最低実施料)納付、分割納付追加
※※特許庁長が認める場合→事業化に長期間・高費用がかかる場合など

また、最近、発明振興法が改正されて2021年10月21日に施行を控えており、主な内容は次のとおりである。

  1. これまでの国家機関は、公務員と非公務員(※)が共同で発明した場合でも、公務員の発明のみ承継したが、非公務員の発明も同様に承継・補償することができる。これにより、非公務員の発明へのモチベーションが向上し、優秀な発明が増加すると予想される。
    ※一定期間の研究課題ごとに国や自治体に採用され、研究に従事している博士研究員、修士研究員など
  2. これまでの国家機関は、所属公務員の発明を全て承継していたが、これからは、優秀な発明を選別して承継することができ、優秀な発明に事業化と技術移転に対する努力を集中することができるようになる。
  3. 国有特許に対する専用実施権設定契約の更新回数を現在の1回から2回以上に改善し、事業化に高費用または長期間がかかるため、企業が技術移転を躊躇していた場合にも、国有特許の活用が期待できるようになった。

これにより、今回の政策協議会で特許庁の各機関は、発明振興法の改正事項を共有するとともに、発明の承継可否を決めるための客観的な手続きの確立策と民間で国有特許を活発に活用するために改善が必要な事項を議論する予定である。

特許庁の産業財産政策局長は、「今回の政策協議会により優秀な国有特許が増え、民間でも活発に利用されることを期待している」とし、「特許庁は、国有特許の活用が活性化されることができる基盤を設けるために持続的に制度を改善していく予定である」と明らかにした。

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