知的財産ニュース コロナ時代のデザイン、「生活・衛生用品は伸びて、ビューティー・ジュエリーは落ちる

2021年3月22日
出所: 韓国特許庁

生活・衛生・趣味用品の出願は大幅に増加、化粧品・ジュエリーは減少

新型コロナウイルス感染症の影響による非対面・非接触生活の日常化は、デザイン産業の地形を変化させた。

韓国特許庁が2020年品目別のデザイン出願動向を分析した結果、生活用品、趣味娯楽・スポーツ用品の出願は増加し、美容・雑貨などの身の回り品と織物類などの基礎製品の出願量は減少したことが分かった。 2017年から2019年までの生活用品デザインは、年平均で6,840件が出願されたが、2020年には9,199件が出願され、3年間の平均に比べて34.5%の増加傾向を見せ、趣味娯楽・スポーツ用品は4.6%(2,907→3,042件)増加したことが分かった。一方、美容・雑貨などの身の回り品は、同期間に比べて4.1%(9,306→8,926件)減少し、織物などの基礎製品は15.7%(5,772→4,863件)減少した。

細部品目別の出願動向を見ると、コロナ時代を経て日常生活の必需品になったマスクは、同期間に比べて377件から2,444件が出願され、548.3%という爆発的な増加ぶりを示した。

防疫ゲート、消毒用ブースなど、現場向けの防疫用品のデザインは、同期間に年平均で39件が出願されたが、2020年には217件が出願されて456.4%の増加傾向を見せ、家庭用の殺菌消毒器、皮膚管理機などの室内衛生用品のデザインは、1,355件から3,857件に184.6%の増加率を示した。

新型コロナウイルスのため家で過ごす時間が増えたことによる、ペット用品や運動用品デザインの増加も著しい。ペット用品は、同期間に比べて658件から979件に48.7%増加し、「ホームトレーニング族」向けダンベルなどの室内スポーツ用品は63件から83件に31.1%増加した。特に、コロナ特需を受けたゴルフ用品は同期間に比べて251件から377件に50.4%の増加を示した。

その他、仕事場とリラックス空間が混在する家の環境を快適にするためのホームファニシングへの需要も増えたため、テーブル、ソファなどの家具デザインは、2,585件から2,932件に13.4%増加し、植木鉢などの室内ガーデニング用品は109件から146件に33.5%増加したことが分かった。

一方、新型コロナウイルスの直撃を受けた品目の下落が目立った。新型コロナウイルスにより外出が減ったため、ジュエリーなどの装身具は3,277件から2,578件に、同期間の平均に比べて21.3%減少した。

化粧品は、1,232件から978件に20.6%減少し、新型コロナウイルスによる韓国国内の化粧品市場が委縮した状況が反映されたとみられる。靴およびバッグのデザインは、それぞれ1,095件から1,011件に7.7%、977件から918件に6.1%減少したことが分かった。

特許庁の生活デザイン審査課の審査官は、「コロナパンデミックは、すでに私たちの日常生活になっており、いつ終わるかは予測もできず、このような状況は当分続くと考えられる」とし、「室内および非対面生活に有用なデザイン出願が今後も優位を占めると見込んでいる」と述べた。

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