知的財産ニュース 超臨場感映像の特許技術で非対面時代を前倒しする

2020年12月21日
出所: 韓国特許庁

韓国企業の超臨場感映像を実現する主要技術に対する特許出願が世界2位

グローバルランキングでは、サムスン2位、ETRI 5位、LG 6位に名を連ねる

新型コロナウイルスの影響で社会的距離の確保を実施することにより、遠隔会議やオンライン授業が日常になり、ホームトレーニングと非対面コンサートのような非対面サービスが増えている。非対面サービスで臨場感を感じるためには、超臨場感映像を実現する技術が必須である。超臨場感映像を実現する主要技術には、大画面で4K以上の高解像度映像を提供する超高精細テレビ(UHDTV)(※)の放送技術、臨場感・没入感を提供する仮想現実(VR)(※※)技術および拡張現実(AR)(※※※)技術、超臨場感の圧縮技術などがある。

※UHDTV(Ultra High-Definition TV):4K(3840×2160)、8K(7680×4320)の解像度を持つ超高精細テレビ
※※VR(Virtual Reality):コンピュータによって作りだされた仮想の世界の中で、人が実際と同じような体験をすることができる仮想現実技術
※※※AR(Augmented Reality):現実の世界に仮想のものを合成した画像をリアルタイムで提供し、まるで実際の空間に物事が存在しているかのように見せる拡張現実技術

韓国特許庁のIP5(※)特許動向調査結果(2017年〜2020年6月)によると、韓国企業(研究所および個人を含む)の超高精細テレビ(UHDTV)、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)のような、超臨場感映像を実現するための主要技術に対する特許出願が世界第2位を占めている。

※IP5(Intellectual Property 5、五庁):世界の特許出願の80%以上を占める日本、米国、欧州、中国、韓国の5ヵ国(地域)の特許庁間協議体で、2007年に発足

各国特許庁に出願した国籍別の出願人を調査した結果、米国人の特許(1,897件、34.0%)が最も多く、韓国が2位(1,178件、21.3%)、日本(1,017件、18.4%)、中国(701件、12.7%)の順であった。

主な多出願企業のグローバルランキングを見ると、サムスンが2位、ETRI5位、LG6位を記録するなど、韓国の企業および研究機関が世界の上位ランニングに名を連ねて頭角を表している。

クアルコム(Qualcomm)が1位を記録して最も多くの特許を出願しており、テンセント、メディテク、パナソニックなどの企業が多出願企業のランキングに入っている。

各国特許庁に登録された国籍別の登録基準を見ると、米国人が最も多く(583件、39.9%)、日本(341件、23.3%)に続き、韓国3位(280件、19.2%)を占めた。その次に、中国(124件、8.5%)の順であった。

超臨場感映像を実現する主要技術は、非対面教育、非対面顧客相談、非対面公演およびスポーツ観戦など、今後オン・オフライン産業全般に適用され、時間と空間の限界を乗り越えて、実際のように体験とコミュニケーションができる、さまざまなサービスへの進化が可能になる。

特許庁の電気通信技術審査局長は、「非対面は、われわれの社会が避けられない現象であり、超臨場感映像を実現する主要技術は、多様な非対面サービスがユーザーに拡大されることに貢献すると予想される。企業は非対面社会という時代の流れに歩調を合わせて、関連技術の早急な権利化を通じて、市場を先取りする特許戦略が必要である」と強調した。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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