知的財産ニュース 調理済み食品の進化、世界の人々の食卓を変える

2020年10月13日
出所: 調理済み食品の進化、世界の人々の食卓を変える

調理済み食品(HMR)に関連する国際特許出願を積極的に活用すべき

韓国特許庁によると、ここ5年間の調理済み食品(HMR、Home Meal Replacement)の韓国国内での特許出願は530件で年平均7.3%増加し、2020年上半期には2019年上半期に比べて32%増と大幅に増加した。

※2015~2019年、調理済み食品に関連する韓国国内の特許出願件数は530件
※2019年上半期、調理済み食品に関連する韓国国内の特許出願件数は50件
※2020年上半期、調理済み食品に関連する韓国国内の特許出願件数は66件

これは、単独世帯の増加、時間の節約、健康な家庭料理を好むトレンドに加え、最近のコロナ禍により調理済み食品の市場規模が急成長したことによるものであり、全世界のHMR市場規模は、2021年に1,891億ドル(注1)、韓国国内のHMR市場規模は2022年に約5兆ウォンに達すると予想される(注2)

このような傾向は、全世界で確認することができる。152ヵ国に同時に特許出願したのと同じ効果を得るPCT国際出願(注3)も年平均17.6%の増加傾向を見せており、2020年上半期には前年同期に比べて17.1%が増加した。

ここ5年間(2015~2019年)、全世界の国際特許出願を出願人別に分析すると、韓国人による国際出願の割合(9.58%)は、日本(26.25%)、米国(17.08%)に次いで3位を占めており、具体的には日本の日清食品(30件)が最も多く、ネスレ、ユニリーバなどに続き、韓国のCJ第一製糖(6件)が5位となった。

国際特許出願を技術分野別に見ると、電子レンジを使う、沸かすなどの簡単な調理方法で食べられるインスタント食品が126件で最も多く、その次に、購入後すぐに食べることができる即席摂取食品が56件、レトルト包装およびインスタント食品の容器に関する出願が54件の順であった。

インスタント食品を品目別にみると、麺・パスタとともにパックごはん・パックおかゆが大半を占めているが、カレー、チャジャンソースなど伝統的な品目だけでなく、調理済み魚、ステーキ、レトルト臭を除去した食品、ミネラル強化食品などと、ますます多様化している。

特許庁の国際特許出願審査1チーム長は、「ここ5年間、HMRに関連する韓国国内の特許出願は530件である一方、韓国人の国際特許出願件数は、23件に過ぎない。」とし、「韓国料理の世界化と海外市場の先取りのために、海外への進出計画のある食品会社は、韓国国内の特許出願の増加に歩調を合わせて海外市場への進出の礎となるPCT国際特許出願を積極的に活用する必要がある」とコメントした。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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