知的財産ニュース 特許庁、「第2回ポストコロナ時代に備えた専門家懇談会」を開催

2020年6月26日
出所: 韓国特許庁

「非対面経済」、知的財産でリードする!

韓国特許庁は6月25日(木曜)午後2時に、韓国知識財産センターでポストコロナ時代の変化を展望し、知的財産の政策方向を模索するため、産・学・研のさまざまな分野の専門家と、「第2回ポストコロナ時代に備えた専門家懇談会」を開催した。

「消費・生産・流通の非対面化」をテーマに開かれた今回の懇談会は、5月27日に「デジタル経済の加速化と産業構図の変化」をテーマにして開かれた第1回懇談会に続く、2回目の懇談会である。

当日の懇談会では、新型コロナウイルスによるライフスタイルの変化を代表するキーワードであり、ポストコロナ時代に「ニューノーマル(new normal)」として位置づけられると予想される、「非対面」を中心に、消費、生産、流通などの産業全般にわたる具体的な変化と未来の有望技術に対する活発な議論が行われた。

「非対面文化に関する技術・特許発掘」で最初の発題を始めた韓国ニューヨーク州立大学のシン・ヨンテク教授は、非対面文化で新規技術分野が登場するのではなく、従来の技術のなかで非対面トレンドに合った技術分野が脚光を浴びる可能性が高いと述べた。また、ポストコロナ時代にも、グローバル市場の先頭に立つため、海外の知財権を確保することが必須であり、韓国企業が知的財産の競争力を持つように支援する特許庁の役割が非常に重要であると強調した。

その次に「ポストコロナ時代に変化するパラダイム:アンタクト(UNTACT)」(un+contactの韓国造語)を発表したKTのイェ・ボムス常務は、ホームエンターテイメント、自律走行カート、オンライン注文などの消費・生産・流通の非対面化を見せる具体的な事例を提示した。そして、デジタル環境に慣れているミレニアル世代(※)が主要消費層として浮上し、生産・流通の弾力性を高めるために、無人化・自動化への投資が増加することによって「非対面化」はマクロ的な大きな動きになると予想した。

※1980年代初頭から2000年代初頭の間に生まれた世代

さらに、「次世代電池産業の特許ビッグデータ分析」の結果(※)を発表した、韓国特許戦略開発院のハン・ギュナム専門委員は、非対面文化による医療用端末、ホームトレーニング・ホームケア器具などの需要増加が二次電池市場の新たな成長エンジンであると指摘した。

※1999年~2019年までの特許は計2万2,031件、直近(2017年~2019年)の論文8,883件を分析

ハン専門委員は、川上・川下産業に与えられる連鎖効果が大きい次世代電池技術を先に確保することは、将来の国家競争力に直結するとし、特に商用化の可能性が高い全固体電池技術において日本の特許障壁に対応した技術開発が重要であると述べた。

特許庁長は、「スマートフォンの高い保有率と5G通信、IoTなど、高度化したデジタル環境が整えられている韓国は、非対面文化の拡散に有利な文化的・技術的基盤を備えている」とし、「さらに、技術開発および知的財産権の確保により、韓国がポストコロナ時代における非対面経済をリードできるよう、特許庁も知的財産の政策推進に最善を尽くしていきたい」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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