知的財産ニュース 音のないマーケティング戦争、音商標出願が急増

2020年5月6日
出所: 韓国特許庁

音商標出願、2015年6件から2019年44件、約7.3倍に増加

韓国特許庁は、番組のCMなどに使われる音階やリズム感、流行語などを知的財産権として保護できる音商標の出願件数が2015年の6件から2019年の44件に約7.3倍に増加したと発表した。

音商標とは、商品の出所を示すために音で構成された商標であり、米韓FTAの締結による合意内容に基づいて、2012年3月からにおい商標とともに商標の範囲に追加された。

[ここ5年間の音商標の出願推移] ここ5年間の音商標の出願推移

韓国で最初に出願された音商標は、制度施行の当日(2012年3月15日)に大象(テサン、韓国の食品会社)が出願した、ミ、ソ、ドの三つの音で構成されているチョンジョンウォン(大象の食品ブランド)のロゴソングである。

韓国でよく知られている音商標は、LG電子やSKテレコム、カカオの音商標があり、芸能人の流行り言葉も音商標として登録されている。

米国は1947年から音商標の保護を開始した。韓国でも広く知られているペプシコーラ社の「缶を開ける音」、MGM(メトロ・ゴールドウィン・メイヤー)社の「吠えるライオン」、NBC放送局の「三つの音高からなるチャイム」などが代表的な音商標である。

特許庁の商標デザイン審査局長は、「韓国企業が文字やロゴなど視覚的に表現できる商標だけでなく、音商標、におい商標などを積極的に活用し、企業独自のアイデンティティを強化していけば、国内競争力の確保はもちろん、グローバル市場でも活躍できる」と述べた。

また、音商標を広告などで継続的に使用した結果、一般消費者が特定の人による商品に関する出所表示として認識するくらい広く知られるているか、または識別力のある特定の単語の発音を音で表現した場合のように、それ自体が識別力のあるものであると認められる場合に登録することができる。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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