知的財産ニュース カスタムコンサルティングで営業秘密を保護!

2020年2月27日
出所: 韓国特許庁

「営業秘密管理体系の特化コンサルティング」、上半期の支援企業を募集

・(小企業)牛ホルモン製品を生産するA社の従業員がソースの製造情報を漏洩し、取引先のB社に転職して類似品を製造・販売した。裁判所では、A社がソース製造者の人数とその原材料の保管場所などを制限し、転職者から秘密保持誓約書をもらうなどの措置を行っていることを根拠に、秘密管理性を認めて製造および販売禁止の仮処分決定

・(中企業)設備メーカのC社の開発責任者Dが、他社に転職して研究開発情報を漏洩し、競合製品を発売した。C社は情報セキュリティ管理規程を制定し、無人警備システムの導入、常駐警備員による関係者以外の接近・出入禁止、統制区域・セキュリティ地域には、監視カメラ、カードキーを使った出入制限、ネットワークファイアウォールのインストールなどのようなセキュリティ管理をしてきた。しかし、裁判所は、この事件資料に営業秘密の表示をしておらず、ファイルにパスワードを付与せず、部署別に設定した業務DBに、該当部署の従業員が自由にアクセスでき、従業員が特別な制限なくUSBを使用し、個人メールで文書を送受信することも自由であった点を理由に、秘密管理性を否定し、営業秘密保護法違反の疑いについて無罪を宣告

特許庁は、企業規模に合わせた営業秘密管理体系の構築の実務を専門家が直接支援する「営業秘密管理体系の特化コンサルティング」事業を2020年から初めて施行すると発表した。

営業秘密は、公然に知られておらず、独立された経済的価値を持つものであり、秘密として管理する技術上・経営上の情報をいい、特に「秘密管理性」を満たすと、営業秘密として保護されることができる。

裁判所は、「秘密管理性」を判断する際、企業の規模、資金力や経営環境に応じて、相対的な基準を適用している。問題は、企業が自社の重要な情報を営業秘密として保護するためには、どのような秘密管理措置をどの程度のレベルにするかを自ら判断するのは難しいという点である。

このような企業の苦情を解決するために特許庁は、2019年度に委託研究を通じて、営業秘密の民事・刑事判例(2015年1月1日から2019年6月30日までに宣告された1,596件)のうち「秘密管理性」が争点になった判例(368件)を深層分析し、「企業規模・業種別の営業秘密の標準管理体系」を設けている。

今回推進する「営業秘密管理体系の特化コンサルティング」は、営業秘密の標準管理体系に基づいて、法律専門家が直接企業の現場を訪問し、企業の現実に合った営業秘密の管理体系と秘密等級付与体系を提案する。

また、秘密等級分類と秘密保持誓約など制度的・人的部門の細部管理措置を用意し、物的部門で投資が必要なセキュリティ設備などを提示する。専門家は、本人が提案した措置の履行状況を点検し、役職員の営業秘密に対する保護意識を高めるための教育も並行することになる。

2020年度には、上・下半期の2回の公募を通じて、各25社の中小・中堅企業を選定して支援する計画であり、上半期には2月28日(金曜)から3月20日(金曜)までの支援企業を募集する。

特許庁の産業財産保護政策課長は「営業秘密保護の最重要点は、実質的な秘密管理措置の履行有無であるため、中小・中堅企業は『営業秘密管理体系の特化コンサルティング』を通じて、企業の現状に合わせた営業秘密の管理体系を構築し、秘密管理措置を履行していくことを期待している」と述べた。

営業秘密管理体系の特化コンサルティングに対する詳細な内容と申し込み手続きは、営業秘密保護センター(+82-1666-0521、www.tradesecret.or.kr)で確認することができる。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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