知的財産ニュース 特許庁長、湖南・済州地域の知的財産企業経営者と懇談会開催

2019年5月2日
出所: 韓国特許庁

IP経営で知的財産エコシステムのイノベーションを

特許庁は、5月2日(木曜、午後2時)、全羅南道光州知識財産センターで、湖南・済州地域のIP経営協議会の企業経営者を対象に中小企業の競争力強化および産業イノベーションに向けた「中小企業知的財産政策懇談会」を開催した。

IP経営協議会は、特許庁のグローバルIPスター企業支援事業に伴い、海外での知的財産権確保およびIP戦略策定などの支援プログラムの恩恵を受けて、知的財産の重要性を認識するとともに、企業経営に導入して企業イノベーションを成した企業経営者の自主的な集まりであり、これら企業は、輸出強小企業として成長し、地域での良質な雇用創出および地域経済の活性化に貢献している。

※IP経営協議会会員社:1,023社、グローバルIPスター企業支援社:1,659社

※※経営導入成果:売上額増加率(8.2%)、輸出額増加率(8.6%)、雇用人員増加率(8.1%)(2018年グローバルIPスター企業支援成果調査、特許庁)

特許庁長は、知的財産を活用した中小企業のイノベーション成長を支援するために、3月から京畿道・仁川地域の輸出企業懇談会を皮切りに、知識財産センター運営機関長懇談会、IPイノベーション企業・産学協力団長懇談会など、持続的に現場での交流活動を推進している。

今回の懇談会は、湖南・済州地域のIP経営協議会所属の11社の中小企業のCEOが出席する中、開催され、企業における知財権の隘路事項を聴取する他、光州IP経営協議会のキム・ボゴン会長は、「特許保有での起業の成功率は、未保有起業に比べて2倍以上高く、グローバル市場を確保するためには、海外IP獲得が必須であり、起業から輸出まで知的財産中心の経営が必要である」と述べた。

特許庁長は、政策懇談会に続いて(株)DREAMCNGを訪問し、同社の事業成果を点検するとともに、海外販路の開拓に向けた追加支援策を議論した。

現場訪問企業 (株)DREAMCNG事例

(株)DREAMCNGは、世界市場を視野に入れた道路用ロボット掃除機の開発を行っているが、ドイツと米国の会社が既存市場を席巻しており、海外市場の開拓に苦労していた。2017年に、特許庁のグローバルIPスター企業育成事業に選定され、海外市場の開拓に対するIP経営診断およびコンサルティングを受けた後、輸出対象国を限定して戦略的に特許を出願しており、技術力を認められた。その結果、輸出額は、約4倍、売上額は、約8倍の成長を成し遂げ輸出対象国もシンガポール、トルコなど、多様な国へ拡大した。

※(株)DREAMCNG売上額(百万ウォン):(2016年)53、(2018年)450

※※(株)DREAMCNG輸出額(百万ウォン):(2016年)27、(2018年)100

特許庁長は、「力強くて、好循環の知的財産エコシステムを構築し、未来の成長エンジンを確保するために、知的財産基盤の産業・技術競争力の強化と知的財産価値の引上げ、知的財産活用の拡散、グローバル市場の開拓などの、知的財産エコシステムにおける四つのイノベーション戦略を推進している」とし、「IP経営の中小企業が輸出強小企業として成長を遂げ、知的財産エコシステム内で、革新的な発展を遂げるよう、政府革新を通じて必要な支援を惜しまない」と述べた。

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