知的財産ニュース 特許庁への国民診断、知的財産侵害の取り締まり強化すべき

2019年4月2日
出所: 韓国特許庁

国民が参加する特許庁への診断実施

特許庁は、技術奪取など知的財産侵害の根絶に向け国民に意見を聞く「国民参加組織診断」を3月の一カ月間実施した。

101人からなる国民参加団は、特許侵害、アイデア奪取、営業秘密流出、デザイン模倣、偽物の流通などを取り締まる特許庁組織の適切な規模、人材運営方策、業務処理手続きについて国民の視点から点検を行った。事前のワークショップをはじめにソウル、大田、釜山で現場診断が行われた。これを基に集中討論会にて様々な業務改善の方策が出された。国民参加団の診断結果を受けた特許庁が結果報告会で今後の推進計画を発表する形で特許庁組織への国民診断は終了した。

国民参加団は、知的財産に対する厳格な保護は、革新的な中小企業とスタートアップの成長だけでなく大企業のグローバル競争力の維持のためにも必須と指摘した。そのためには、特許庁が知的財産侵害に対する取り締まりの業務を強化し知的財産の侵害を根絶すべきと呼びかけ、3月から始まった特許庁の特許、営業秘密、デザイン犯罪に対する捜査業務に期待を示した。

国民参加団は、業務の効率化のためには人員の拡充とともに、捜査官の士気向上のための方策作りも必要と説明した。また、関係機関、民間との協力を強化し国民への広報活動を充実に行うことで政策効果を最大化できると提言した。

国民参加団の委員は、「国民と企業の権利保護のための特許庁の積極的な役割が必要」とし、「国民の意見が反映された組織診断結果が実際、業務改善につながることを願う」と所感を述べた。

国民参加組織診断とは、一般国民からなる国民参加団が、現場を訪問し該当機関の業務推進体系を実際体験し、改善が必要な部分に対し意見を提示する制度だ。2018年に行政安全部が地方警察・労働監督官を対象にモデル実施を行い、2019年は特許庁を含めた19の部処へ拡大する予定だ。

特許庁産業財産保護協力局の局長は、「政府革新に向け需要者の視点で産業財産保護政策を顧みるよい機会だった」とし、「国民参加団の意見を反映し、革新成長に向けた技術とアイデア保護に最善を尽くしていきたい」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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