知的財産ニュース 特許庁、韓国毒性学会と有害物質情報交流のための業務協約締結

2019年5月16日
出所: 韓国特許庁

特許庁は、5月16日(木曜、午前11時)、ソウル大学のサムスンコンベンションセンターで、韓国毒性学会と、有害物質情報交流および毒性分野研究者の知財権能力の向上のための業務協約を締結した。

特許庁と韓国毒性学会は、公衆の衛生を害する恐れのある発明(注1)に対する特許審査の専門性を強化するとともに、毒性学研究者の発明保護および知財権能力の向上という目標と方向性を確認し、持続的に交流・協力することで合意した。

韓国毒性学会(注2)は、毒性および環境について研究を行う専門学会として、毒性学研究の他、食品、医薬品および環境汚染物質から国民を保護するために、多角的に取り組んでいる。

特許庁では、「加湿器殺菌剤事件」と「ラドンベッド事件」以降、国民の安全に、危害になり得る発明に対して特許審査を強化しており、発明の人体への危害性を正確に判断するためのシステムを構築している。

今回の業務協約により、特許庁では、有害物質を含む発明に対する特許審査の専門性を強化することで、これらを含む特許による社会問題発生を未然に防止でき、さらに国民の安全と知的財産保護に万全を期すことができると期待を示している。

また、韓国毒性学会では、学会員および関連業界の研究に必要な、知的財産権制度および関連情報の提供を持続的に受けることで、毒性分野の発明保護および学問の発展に貢献できるようになる。

特許庁と韓国毒性学会は、業務協約締結以降、実務協議会を通じて有害物質に関する専門資料および知的財産関連情報を相互交流するための、具体的なプログラムを推進する計画である。

韓国毒性学会会長は、「韓国最高の毒性関連学術団体である韓国毒性学会は、毒性研究を通じた社会のセーフティーネット構築に向け取り組んできており、今回の業務協約で化学物質の毒性研究結果が特許行政の専門性に貢献できる契機になることを望む」と述べた。

特許庁長は、「今回の業務協約により強化される、毒性物質の危害性に関する専門知識は、特許庁において特許審査の品質向上のための基礎資料になる」とし、「韓国毒性学会会員においても、知的財産シンポジウム、セミナーなどを通じた多様な特許行政サービスの提供により、知的財産に対する認識の向上も期待できる」と強調した。

(注1)特許法第32条は、「公の秩序又は善良の風俗を乱し、又は公衆の衛生を害する恐れのある発明」を、特許を受けることができない発明と規定

(注2)毒性学研究の奨励、毒性に対する情報交換および知識普及のために1977年に設立された法人

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