知的財産ニュース 知的財産権貿易収支改善、産業財産権出願も増加

2019年4月15日
出所: 電子新聞

直近5年間の産業財産権出願現況

 産業財産権出願現況、2014:10,292、2015:213,694、2016:208,830、2017:204,775、2018:209,992

※出処:2017知的財産統計年報、知的財産統計月報(2018年12月号)、特許庁

※特許と実用新案はPCT出願(指定国官庁)含む、デザインは国際デザイン出願(指定国官庁)含む、商標はマドリッド出願(指定国官庁)が含まれた件数である

※2015年から国際出願(PCT、マドリッド、ハーグ)含む、2014年まではPCTのみ含まれる

韓国の知的財産権貿易収支赤字が、2018年に、直近10年間で初めて10億ドル以内に減少した。産業財産権出願件数も増加に転じた。

大統領所属国家知識財産委員会が、15日(月曜)、「2018年国家知識財産委員会年次報告書」の発刊で、明らかにした。委員会は毎年、知的財産関連動向と前年度の知的財産施行計画の主要内容を収録した年次報告書を国会に提出する。

報告書によると、2018年の知的財産輸出は、122億7,000万ドル、輸入は139億6,000万ドルである。 貿易収支は7億2,000万ドルの赤字で、前年比9億6,000万ドル改善した。2010年以来、最も良い成績である。

著作権登録現況

著作権登録現況、2013:31,076、2014:35,842、2015:36,760、2016:38,312、2017:39,760、2018:43,739

※出処:2018年著作権統計、韓国著作権委員会

知的財産権貿易収支は、2010年に103億ドルの赤字を記録した後は改善が続いて、2017年は17億ドルまで赤字幅を縮小した。2018年は、知的財産輸出増加に支えられ同じ期間で初めて赤字額が10億ドル以内に減少した。貿易収支比(輸出額/輸入額)は0.95を記録した。

国内産業財産権出願件数も、2017年のマイナスから増加傾向に転じた。2018年の国内産業財産権出願件数は48万245件と、2017年比2万2,290件(4.9%)増加した。特許権が20万9,992件、商標権が20万341件と、前年比、それぞれ5,217件(2.5%)、1万7,423件(9.5%)増加した。著作権登録は4万4,919件であり、2017年より4,296件多かった。

知的財産権貿易収支推移(韓国銀行)(単位:億ドル、△はマイナス値)
年度 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 年平均増加率
貿易収支(A-B) Δ103.4 Δ63.4 Δ80.5 Δ81.6 Δ61.7 Δ40.0 Δ16.6 Δ16.9 Δ7.2 Δ28.3
輸出(A) 41.5 58.3 58.0 67.0 86.8 100.3 108.9 122.7 135.2 15.9
輸入(B) 144.9 121.7 138.5 148.6 148.5 140.4 125.5 139.6 142.4 Δ0.2
貿易取引量(A+B) 186.4 180.1 196.4 215.6 235.4 240.7 234.4 262.3 277.6 5.1
貿易収支比(A/B) 0.29 0.48 0.42 0.45 0.58 0.71 0.87 0.88 0.95 16.0

委員会は、報告書で、2018年に文化体育観光部で海外著作権センター(4ヵ所)が中心となり、進出、契約締結、侵害対応など、115件のパッケージ支援を行ったと明らかにした。さらに、関税庁は、通関、流通段階から知財権侵害物品の取り締まりを強化し、オリンピック関連商品10,204点(5億ウォン相当)、偽ブランド品の腕時計641点(33億ウォン相当)、偽キャラクターグッズ13,140点(3億ウォン相当)、海外の偽ブランド品4,772点を摘発した。

特許庁は、「知的財産一般」教科適用学校を9ヵ校から22ヵ校に拡大し、IP専門投資ファンドを2017年の480億ウォンから2018年は1,000億ウォン規模に拡大したと説明した。

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