知的財産ニュース 特許庁、「オンライン模倣品在宅モニタリング団」が大活躍!

2019年5月29日
出所: 韓国特許庁

2019年4月の1カ月で、18,105件を摘発して販売中止措置
キャリアが途絶えた女性の経済活動復帰も図り、模倣品流通も防ぐ

特許庁は、4月の1カ月間、「オンライン模倣品在宅モニタリング団(以下、「在宅モニタリング団」)が、オープンマーケット、ポータル、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などのオンライン上で流通される、模倣品の掲示物を摘発して販売中止処置を行った件数が18,105件と明らかにした。

2018年の韓国のオンラインショッピングの取引額は、111兆8,939億ウォン(※)であり、2017年比22.6%も急増した。このようなオンライン上の取引の活性化に伴い、模倣品がオンラインで流通される頻度も増加している。2018年に、特許庁に通報された模倣品の通報件数の5,557件のうち、オンライン上の模倣品流通を通報した件数が5,426件と97.6%に達した。

※資料出所:統計庁オンラインショッピング動向調査(2018年)

これを受けて特許庁は、オンライン上の偽装商品流通の予防に向けて、2019年4月1日から在宅モニタリング団110人を採用し運営している。在宅モニタリング団は、全員女性で構成されており、これは有名商標とオンラインショッピングをよく利用する女性のノウハウを活用して、模倣品の摘発率を上げるとともに、出産・育児などでキャリアが途絶えた女性の経済活動への復帰も支援するためである。

在宅モニタリング団は、出産・育児などでキャリアが途絶えた30~40代が91.8%の101人であり、その他、50代が5人、20代も4人が在宅モニタリング団として活動している。

4月の1ヵ月間のモニタリングで模倣品取引の掲示物として確認され、オンライン事業者によって販売が中止された18,105件を商品種類別にみると、バッグが5,624件で最も多く、靴が4,609件、衣類が4,121件、財布が1,220件、時計が1,161件の順であった。

模倣品流通の多い商標は、グッチが2,548件、ルイヴィトンが1,971件、シャネルが1,759件、ナイキが927件、バレンシアガが861件となっており、侵害された商標の数は計210に達する。

在宅モニタリング団に採用されて、オンライン上の模倣品の摘発業務を担当している30代のA氏は、「20代後半に就職したが、30代前半に出産や育児で職場を諦めざるを得なかった。今回、機会があり、在宅モニタリング団として仕事をしているが、オンライン上で模倣品が流通されているということは知っていたが、これほど多いとは知らなかった。模倣品流通が深刻な問題ということを認識した」と話した。

特許庁産業財産保護協力局長は、「2019年に、10万件以上の模倣品の掲示物を取り締まる予定であり、企画モニタリングを通じて、国民健康と安全に深刻な影響を及ぼし得るオンライン上の模倣品に対する取り締まりを強化する計画」と述べた。また、「商標権の侵害だけでなく、2019年3月に発足した産業財産特別司法警察を通じて特許・営業秘密・デザインなど、産業財産権侵害全般に対しても積極的に対応していく」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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