知的財産ニュース 特許審査官の増員により、現場疎通型審査を拡大

2019年7月1日
出所: 韓国特許庁

特許庁によると、政府革新の一環として、審査官が出願人に直接会って審査結果の説明を行うほか、特許内容に対する補正案の相談を行う現場疎通型審査(深層面談)の利用件数が2015年の367件から2018年は2,501件と、大幅増加したことが判明した。

※現場疎通型審査(件):(2015年)367、(2016年)778、(2017年)1,557、(2018年)2,501

※※補正:特許拒絶理由を解消するために、特許明細書などを修正する行為

現場疎通型審査は、三つに分けられるが、予備審査は、特許審査の本審査の前に事前審査の結果を説明する制度であり、補正案レビューは、審査官が通知した拒絶理由を基に補正案の相談を行う制度であり、再審査面談は、既に拒絶決定を受けた特許を再び審査する再審査の請求前に補正案の相談を行う制度である。

現場疎通型審査(深層面談)種類別フロー

特許審査、予備審査(事前審査提供、補正方向協議、自主補正誘導)、特許審査着手、意見提出通知、補正案レビュー(補正案検討、意見提示)、特許審査終結、再審査面談(再審査請求前補正案検討、意見提示)の順で行われる

このような現場疎通型審査は、優先審査が決まった高い難易度の技術分野の出願を対象にする予備審査を除いては、別途の条件の制限がない。審査官には、出願人との積極的なコミュニケーションにより正確な審査か可能になり、出願人には、審査官との面談を通じて適正な特許権を迅速に確保するというメリットがある。

※優先審査が決まった出願に対しては、予備審査申請の案内書類が発送される。

実際、予備審査を活用すれば、出願人は審査官の面談後に、特許権の補正を行い、平均4ヵ月の迅速な特許権確保が可能になる。

特許庁は、出願人の強い特許創出を支援する現場疎通型審査をさらに拡大するために、特許審査官の増員を持続的に推進している。このような努力により、2018年に特許審査官16人を増員しており、2019年は4階級・5階級の特許チーム長10人を含む計56人の特許審査官を確保した。

2019年の審査人材の増員により、特許1件あたりの審査に必要な「審査投入時間」は12.5時間に増え、出願人との疎通を図る現場疎通型審査の拡大に向けた基盤が整備された。

※審査投入時間(時間):(2017年)11.9、(2018年)12.3、(2019年)12.5

特許庁特許審査企画課長は、「審査人材の増員により、特許審査結果に対する出願人の審判請求の割合が減少するなど、特許審査の品質向上として表れている」とし、「韓国企業の中核技術を保護するとともに、イノベーション成長を支えることができるよう、迅速かつ正確な特許審査の提供に向けて努める」と述べた。

※特許拒絶決定不服審判請求率(%):(2016年)8.1、(2018年)6.4、(2019年5月)5.5

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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