知的財産ニュース 特許庁、3カ月間の取り締まりでオンライン模倣品54,000件余りを販売中止措置へ、4,189億ウォン相当の消費者被害予防効果!

2019年7月23日
出所: 韓国特許庁

模倣品流通の多いブランドは、グッチ1位、ルイヴィトン2位
SNSなどオンライン上での商品購買には、細心の注意が必要

  1. 出産と同時に育児のために仕事を辞めた30代前半の女性A氏は、インスタグラム、ネイバーバンド、カカオストーリーなどのSNSを通じて知人と関心事を共有し、生活の話もよく交わしている。最近は、ショッピングもオープンマーケットだけでなく、SNSもよく利用するが、掲示された商品の中で、フォローした友達の「いいね」の件数やリプライが多いと、疑いなく購買した。しかし、4月から特許庁の「オンライン模倣品在宅モニタリング団」に就職してから考え方が変わった。SNS分野を担当するA氏が6月までの3ヵ月間、模倣品と疑われる掲示物を摘発した件数は約600件に達する。これまで何の疑いもなく正規商品と思い購買していた商品がいわゆる「模倣品」の場合があまりにも多くて、これから知人らにSNSでの商品購買はできるだけ控えるように、また、よく確認した上で購買するよう呼びかけるつもりである。
  2. 一度も模倣品を購買した経験はないが、SNS分野のモニタリング団に採用された40代後半のB氏!「模倣品モニタリングに、やり甲斐を感じる。自分がモニタリングしたアカウントが削除されたという知らせを受けて、嬉し過ぎて歓声を上げながら仕事したことが何度もある。会社と国に微力ながら貢献できるということに誇りを持っている。模倣品流通の根絶に一端を担っており、仕事で幸せになる」と話した。

特許庁は、オンライン上の模倣品流通の予防に向けて、4月から3ヵ月間「オンライン模倣品在宅モニタリング団」110人を投入して、54,084件の模倣の疑いのある掲示物を摘発し、販売を中止させたと明らかにした。

特許庁は、模倣の疑いのある掲示物削除による消費者の被害予防の効果は、最低4,189億ウォン(※)に達すると明らかにしたが、オンラインでの一日の平均取引件数およびオンライン販売者数などを考慮して1個の掲示物で最低5個の模倣品が販売されていると推定している。

※消費者被害予防効果(4,189億ウォン)= 販売中止(54,084件)された模倣鞄、衣類、靴など(正規商品価額の平均154.9万ウォン)の正規商品価額計(837.8億ウォン)× 模倣品の掲示物1個当たり平均販売量(5件、2018年時点)

モニタリングの結果、オンラインでの模倣品の流通が多いブランドは、グッチ、ルイヴィトン、シャネルの順だったが、これらのブランドはオンラインだけでなく、オフラインにおいても伝統的に模倣品の流通が多いブランドとして知られている。

商品別では、鞄17,421件、衣類12,098件、靴11,882件などが全体の76.5%を占めており、私たちの日常生活において必ず必要でありながら他人の視線を惹きつけるような品目で模倣品の供給が多いことが判明した。

一方、本格的な夏のバカンスシーズンを前に、紫外線カットの効果など、消費者の安全にかかわるサングラスを集中的にモニタリングした結果、4,405件の模倣の疑いのある商品が見つかり、販売中止措置を取ったが、国内ブランドを模倣した製品も少なくなかった。

国内外の商品権者らは、「これまでにオンライン上の模倣品流通による被害が相当であったが、特許庁が2019年から新しく開始した『オンライン模倣品在宅モニタリング団』の運営により、企業活動に大きく役立っている」と明らかにした。

特許庁関係者は、オープンマーケット、ポータルのカフェおよびブログ、SNSなどオンラインマーケットの所々で行われている模倣品流通の行為に対して、消費者に細心の注意を呼びかけた。

特に、オープンマーケットに比べて捜査機関の取り締まりおよびオンライン事業者の取引の監視が難しい個人と個人の取引などにより、カフェ、ブログ、SNSなどで国内外の有名ブランドを購入する場合、模倣品である確率が高いとし、きめ細かく確認する必要があると話した。

また、インターネットショッピングのみならずオープンマーケット、ソーシャルコマース、SNSなどオンラインを通じて製品を購入する際に、「正規商品比シンクロ率100%、イミテーション、A級、正規商品と同一、完璧再現、自主製作」などの文句や、「~スタイル、~風、~タイプ、~レプリカ」などの文句を記載して販売する場合は、ほとんどが模倣品と判断した方がよいとした。

特許庁産業財産保護協力局長は、「オンライン上の模倣品流通の取り締まりに、モニタリング団が重要な役割を担っており、オンライン事業者も販売中止の要請に応じて掲示物を削除している。しかし、これからはオンライン事業者に対しても、自社のプラットフォームにて模倣品が簡単に流通されないようにサービス利用の制限・停止またはアカウントの削除など、模倣品販売者への措置をさらに強化するとともに、常習販売者については特許庁産業財産特別司法警察に告発して立件されるように、協力をお願いする」と述べた。

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