知的財産ニュース 職歴に空白のある女性、模倣品の取締りで9,382億ウォンの被害の予防効果

2019年12月26日
出所: 韓国特許庁

4~11月に模倣品の掲載物12万件余りが販売中止

模倣品の流通取引SNSチャンネルなど、集中取り締まり予定

韓国の天安に住んでいるソン・ジュヒョン(仮名)さんは10年前、大学卒業後13年間勤務していたLファッション会社を育児問題のため退社した。その後、2019年3月に特許庁が行うオンライン模倣品の在宅モニタリング団の募集公告を見て志願し合格した。彼女は子供を学校に見送った後、インターネットに接続して模倣品の取締りを始める。最近はソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を利用して「~st」、「~レプリカ」などの簡単なキーワードを入力するだけで、ブランドの鞄、衣類、靴、時計などを販売する投稿があふれる。しかし、よく見ると「正規品と同じクオリティの物をお送りします」や「レプリカもレベルがあります」、「最高のクオリティのみ取扱います」など、模倣品を販売する投稿がほとんどである。

特許庁は、2019年4月に発足した「オンライン模倣品の在宅モニタリング団(以下、「モニタリング団」)」が、11月末までの8ヵ月間で模倣品の掲載物を計121,536件摘発し、9,382億ウォンの消費者被害予防の効果を収めたと23日発表した。

※消費者被害の予防効果(9,382億ウォン)=販売中止(121,536件)となった鞄、衣類、靴など(平均正規価額154.4万ウォン)の正規合計価額(1,876億ウォン)×模倣品掲載物1件当たりの平均販売量(5件、2019年基準)

オンライン・オープンマーケット(個人もしくは事業者など、誰でも商品を販売できる形態のオンラインショッピングモール)、ポータル、SNSなどにおいて模倣品掲載物を取り締るモニタリング団は20~50代の職歴空白の女性を含めた105名で構成されている。

モニタリング団によって摘発された掲載物は鞄が31%で最も多い割合を占め、その次は衣類25%、靴19%の順になっている。

商標はグッチが14%で最も多く、ルイ・ヴィトンとシャネルがそれぞれ10%程度でオフラインでも多く摘発される商標とほとんど一致している。

プラットフォームはSNSチャンネルで全体の46%、オープンマーケットで30%、ポータルで24%が摘発され、インスタグラム、フェイスブックなどSNSチャンネルによる模倣品の流通が活発になっていることが分かった。

特許庁は2020年も在宅勤務モニタリング団を持続的に運営し、「休日モニタリング実施」、「健康・安全危害品目に対する企画取締り(※)」、「販売中止の要請結果に対する検収の強化」、「特別司法警察との捜査連携」などを推進する計画である。これによりオンライン上の模倣品流通取締りをさらに強化し、健全な取引秩序の確立によって政府のイノベーションに寄与できると期待している。

※サングラスの企画取締り(6月)により掲載物4,405件、貴金属類の企画取締り(9月)により掲載物2,980件を摘発・削除し、正規価額基準で約356億ウォン相当の消費者被害の予防効果を収めた。

特許庁の産業財産保護協力局長は、「国民の安全と健康を脅かす模倣品を対象に企画取締りを強化する」とし、「オンライン事業者自らの是正雰囲気の拡散と知的財産保護認識の強化に向けて知的財産尊重文化のキャンペーンをより拡大していく」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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