知的財産ニュース 特許ビッグデータ分析で医療機器産業の有望分野を発掘

2019年12月19日
出所: 韓国特許庁

特許庁-医療機器産業協会、イノベーション戦略共有

特許庁は12月18日、韓国医療機器産業協会(以下、協会)と共同で行った、「知的財産(IP)基盤のイノベーション戦略懇談会」で特許ビッグデータ分析(※)の結果、これからAI基盤の医療機器と3Dプリンティングを活用した医療機器分野がもっとも有望な投資先であると明らかにした。

※ここ14年間(2005~2018年)の医療機器産業に関連する特許ビッグデータに基づいた今回の分析は、関連企業のR&D方向設定と高品質の特許創出を支援するため推進されたものである。

特許庁と同協会は「IP基盤のイノベーション戦略懇談会」で、医療機器産業のイノベーションおよび成長をけん引するため、知的財産における協力をより強化し、特許ビッグデータ基盤の「特許戦略報告書」を共同発刊することにした。

さらに、同協会の教育課程に「特許基盤の研究開発(IP-R&D)戦略」過程の新設、医療機器企業の特許創出および活用を活性化するよう、協会行事の際に特許相談ブース設置、特許関連の医療機器分野での政府褒賞などを推進することにした。

特許庁の医療技術審査チーム長は、「AI診断機器など先端融合・複合医療機器分野はグローバル企業の先取り割合が相対的に低く、韓国企業の世界市場への進出の潜在力が高い」とし、「今回のIP基盤のイノベーション戦略を通じて未来の有望技術分野で中核となる基盤技術を開発し、世界市長を先取りすることを期待している」と述べた。

また、同協会の副会長は「韓国の医療機器産業は中小・ベンチャー企業中心で成長し、知的財産における戦略が不足している」とし、「世界的に急増している医療機器市場のニーズに合わせグローバル競争力を持つために持続的な政府レベルのIPに基づいた支援が急がれている」と述べた。

一方、韓国医療機器市場は少子高齢化と健康に対する関心向上により、急速な成長ぶり(※)を維持しており、政府は2019年5月に医療機器などバイオヘルス産業を非メモリー半導体、未来型自動車とともに次世代の注力産業として選定し、2018年基準で1.8%にすぎなかった世界医療機器・製薬市場シェアを2030年に6%まで引き上げるのが目標である「バイオヘルス産業イノベーション戦略」を発表した。

※2018年の韓国の医療機器市場規模は6兆8,179億ウォンで前年対比10.0% 増加し、ここ5年間(2014~2018年)、年平均8.0%成長した。(出所:2019韓国医療機器間業協会年鑑)

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