知的財産ニュース 特許庁に受理された不正競争行為が100件を突破!

2019年3月12日
出所: 韓国特許庁

アイデア奪取行為は主にIT業界や建設業で、商品形態模倣行為は鞄、化粧品などの生活用品で多く発生

化粧品を販売するスタートアップA社はエコフレンドリー紙容器を開発し、クラウドファンディングを受けて2016年10月に製品を発売した。市場の反応が良く、同業のB社は2017年 4月にA社の紙容器の商品形態を模倣した製品を発売し、A社の売上高は打撃を受けた。A社はB社が不正競争行為を行ったと特許庁に報告し、これを受けて特許庁はB社に対する調査を開始した。B社は商品形態を模倣した事実を認め、自ら製品生産と販売を中止した。

韓国特許庁は2017年12月、中小企業の商品形態を模倣した業者に対して関連製品の生産・販売を中止させる最初の是正勧告をした後、1年で不正競争行為の受理件数が100件を超えたことを明らかにした。

特許庁には「不正競争防止および営業秘密保護に関する法律」(以下、「不正競争防止法」)に基づき、国内に広く認識されている商標・商号など同一・類似の標識を使用することで、商品・営業主体を混同させる行為、開発して3年以内の他人の商品形態を模倣する行為、取引過程で他人のアイデアを不正使用する行為など、9種類の不正競争行為に対する調査および是正勧告の権限がある。

受理された100件のうち、他人の商品形態を模倣した行為が47件と最も多く、昨年7月18日から新たに導入されたアイデア奪取行為が34件、商品・営業主体の混同行為は11件であった。

調査過程で不正競争行為を認めて自ら是正するか、特許庁の是正勧告を受けるケースが70%程度に達するほど、制度の実効性は高い。

特許庁は、調査開始から最終判断まで平均4カ月余りかかり、別途費用の負担がない上、訴訟に比べて時間やコストの面で有利であるため、紛争への対応力が不足している個人や中小企業、スタートアップなどにとっては非常に効果的な制度だとしている。

受理件数の半分ほどを占める商品形態模倣行為は食品・鞄・眼鏡・文具類などが89%(42件)を占めることから、商品形態を簡単に模倣することができ、トレンドが急変し、デザイン登録が容易ではない分野で模倣行為が頻繁に発生しているとみられる。

中小企業の技術・アイデア保護のために、昨年7月に不正競争行為に追加されたアイデア奪取行為の届出人は、すべて個人・中小企業であり、IT関連業界11件(32%)、建設業6件(18%)などと、新しい技術提案が活発であるか、下請け取引関係が多い分野でアイデア奪取行為が頻繁に発生すると判断できる。

不正競争行為と疑われる場合は、特許庁に報告することができる。不正競争行為と偽造商品情報提供センター外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで書式をダウンロードでき、お問い合せについては特許庁産業財産調査課(042-481-5190、 jyg2743@korea.kr)、韓国知識財産保護院(02-2183-5837、5837@koipa.re.kr)にすれば良い。

特許庁産業財産保護協力局の局長は、「特許庁は不正競争行為により被害に遭う個人や企業を救済するために、最善を尽くしたい」とし、「不正競争行為に悩んでいれば、特許庁の調査・是正勧告制度を積極的に活用してほしい」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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