知的財産ニュース 特許取消申請、安定的に定着され、利用が活発

2019年3月28日
出所: 韓国特許庁

特許審判院は、2017年3月に導入した特許取消申請制度が安定的に定着され、活発に利用されていると発表した。

特許取消申請は、特許登録後も6カ月以内に簡単に証拠資料だけ提出すれば、審判官が特許を再検討する制度である。従前は3カ月以内に可能であったが2017年から6カ月に延長された。

これは登録初期に誰でも瑕疵がある特許を取消申請することができるようにし、将来、不要な特許訴訟などの紛争を予防するための措置である。

2017年3月から今年2月まで特許取消申請件数は計278件(導入1年目(2017年3月~2018年2月)134件、2年目(2018年3月~2019年2月)144件)である。

現在まで処理された103件のうち、25件(24%)は特許取消となり、残りについては特許が維持され紛争予防の効果を得た。

また、特許取消された25件のうち、3件のみ不服となり特許法院に係留中であり、特許審判院の判断に対する当事者の受容率が高いものと示された。

特許無効審判における請求人は、最初の審判請求書だけではなく、相手側の主張に対する反論意見書も数回に渡り提出しなければならない負担があったが、特許取消申請における申請人は最初の一回のみ提出すればよい。

特記すべきことは、誰でも申請することができるため、企業間の利害関係を隠し、ほとんどが個人の資格で申請しているとみられる。特許取消申請件数278件のうち、個人は249件(申請人の90%)、中小企業は22件の順である。

被申請人である特許権者は、外国企業162件(被申請人の58%)、中小企業34件、大企業32件の順であり、特に外国企業の特許に対する再検討が活発であることが分かる。

また、産業別に見ると、化学118件(申請の42%)、電気45件、生活用品37件の順で申請された。これは他分野に比べ、特に化学産業分野において外国企業の特許が多いからであるものと分析された。

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