知的財産ニュース 中東でさらに活発化する韓国型特許行政!

2018年12月10日
出所: 韓国特許庁

特許庁、UAE経済部と知的財産権保護、特許審査、情報化協力を強化することで合意

UAEでK-ブランド商品の保護を強化し、韓国型特許行政サービスの普及を拡大する。

韓国特許庁長は12月6日、UAE経済部次官とソウルで韓国‐UAE間の知的財産権分野のハイレベル会談を行い、知的財産権保護、特許審査、情報化などの分野で両国の知的財産権協力レベルを大幅に引き上げることで合意した。

両国は中東地域での韓流拡散に合わせ、知的財産権の保護に関する協力を強化することにした。UAEが、韓流に便乗して第三国で製造された韓国製品の偽物をUAE現地で販売する外資系流通企業に対する即時措置を取ると約束したのである。この合意はベトナム、タイなどの東南アジアを越え、中東地域にまで広がっている、韓流に便乗して偽物が氾濫している現状を見直す大きな転機になる見通しである。

特許審査分野では、UAEに受理された特許協力条約(PCT)に基づく国際出願の国際調査を韓国が行うという覚書を交わし、UAEの国内特許出願に対する最終審査を韓国が処理することについても合意した。これまではUAE国内出願の一次審査を中心に特許審査分野で協力してきたが、今回、覚書を交わすことで、韓国とUAEとの協力の範囲は特許審査の最終処理と国際特許出願の審査まで拡大されることになった。これは、2014年から特許審査官をUAEに派遣して審査業務を代行してきた韓国特許庁への信頼に基づき、特許審査における協力が拡大したといえるだろう。

情報化分野では、UAEの特許行政情報システムのメンテナンスを韓国が行うという契約を締結し、今後、特許行政情報システムの高度化に関する協力を強化するという覚書にも署名した。韓国特許情報院のコンソーシアムはUAEで450万ドル規模の特許行政情報システム開発に成功(2016年~2018年)した。また、システムのメンテナンス契約(年間27万ドル)を新たに締結し、情報化分野における持続可能な協力が続く見通しである。特許庁とUAE経済部が締結したAI、ビッグデータなどの新技術を活用したシステムの高度化に関する覚書は、未来志向的な特許行政協力に寄与するだろう。 

特許庁長は、「UAEとの知的財産権分野における協力を一層強化できた背景には、韓国が培ってきた特許行政に関するノウハウがある」と説明しつつ、「このような韓国の長所をうまく活用して、サウジ、ASEANなど韓国とパートナーシップを結び、知的財産権の先進化を図る国を支援するとともに、韓流拡散により、侵害の可能性が高まった韓国企業の知的財産権をいち早く保護するために、国際協力を強化していきたい」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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