知的財産ニュース 第4次産業革命時代!個人向けのヘルスケアは自分の体の微生物情報から!

2018年11月5日
出所: 韓国特許庁

マイクロバイオームに関する特許出願が増加

韓国特許庁によると、マイクロバイオームに関する特許出願件数は2000年から2017年まで計361件であり、直近5年間(2013年~2017年)特許出願が大幅に増加している。特に、最近の特許出願の増加は、韓国の出願人が主導したことが分かった。

出願人別に見ると、韓国人による出願が63%(226件)、外国人による出願が37%(135件)であった。韓国人による出願では、企業の出願が46%、大学および研究機関の出願が37%であった。外国人による出願では、企業の出願が76%と大部分を占めていることが明らかになった。

注目すべきは、外国人の出願の場合、企業の出願が大学および研究所の出願に比べてはるかに多いことである。これは、グローバル製薬会社がマイクロバイオームの研究に積極的に投資した結果ということである。一方で韓国人の出願の場合は、大学および研究所の出願が外国に比べて相対的に多い。これは、研究所を中心に2011年から国際ヒト・マイクロバイオーム・コンソーシアム(International Human Microbiome Consortium)に参加するなど、マイクロバイオームに関する研究が活発に行われたためである。

疾患別の出願動向を見ると、腸炎などの炎症28%(101件)、免疫疾患22%(80件)、肥満、糖尿病のようなメタボリックシンドローム19%(67件)、癌13%(46件)、うつ病などの精神疾患3%(11件)と、さまざまな病気にマイクロバイオームの情報を活用した技術が開発されていることが分かる。

今後、ヒト・マイクロバイオームを活用した治療、診断市場が本格化すると見込まれる中、2024年までマイクロバイオームを活用した治療薬の市場は、約94億ドル規模に急成長する見通しである。診断分野は2019年に商業化し、2024年に市場規模5億ドルを上回る見通しである。

特許庁バイオ審査課長の課長は、「グローバル製薬会社がマイクロバイオームの研究に積極的に投資しているため、この分野の急成長が予想され、直近5年で韓国人の出願が外国人の出願を上回ることから、韓国企業がマイクロバイオーム市場を先取りする可能性が大きいうえ、今後の雇用創出にも大きく貢献するだろう」とし、「マイクロバイオーム分野が一つの産業群として位置づける可能性が大きく、韓国企業が国内外市場を先取りし、競争力を備えるためには、何よりも特許権確保のための努力を継続することが重要だ」と強調した。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、柳(ユ)、李(イ)、半田
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195