知的財産ニュース 外国の有名商標の模倣をめぐる商標紛争が減少

2018年8月16日
出所: 韓国特許庁

外国人が韓国人の登録商標を無効(外国の有名商標を模倣するなど)とする商標無効審判請求が減少し続けていることが明らかになった。

直近5年間(2013〜2017年)、外国の有名商標の模倣関連で外国人が特許審判院に請求した商標無効審判請求件数は、2013年166件、2014年176件、2015年には193件とピークを迎えた後、2016年137件、2017年127件と減少している。このうち、登録無効審決(容認)件数は2013年72件、2014年78件、2015年81件、2016年56件、2017年48件となっている。直近5年間の平均勝訴率は58.2%であることが分かった。

各国の商標無効審判請求の現状について

直近5年間の外国の模倣商標関連の商標無効審判請求件を国別に見ると、米国299件(37.4%)、日本91件(11.4%)、フランス56件(7%)、ドイツ55件(6.9%)、イタリア53件(6.6)、中国39件(4.9%)の順となっている。これは、米国による商標権などの知的財産権を重要視する保護政策が影響を与えたためだろう。

外国人による商標登録異議申請の現状について

商標無効審判とは、登録された商標を事後に無効とする制度である。一方、外国の有名商標を模倣して出願した商標について事前(商標審査段階)に商標登録を阻止する外国人による商標登録異議申請件数も減少している。

直近5年間(2013〜2017年)、外国人による国内商標出願に対する商標登録異議申請件数は、2013年1,724件、2014年1,391件、2015年1,517件、2016年1,376件、2017年1,201件と、外国人による商標無効審判請求件数と同様に減少傾向にある。国別では、米国2,948件(40.9%)、フランス609件(8.4%)、イギリス502件(7.0%)などの順となっている。

外国人による商標無効審判および商標登録異議申請が減少傾向にある主な原因としては、国内の商標出願人が外国の有名商標を模倣することに対する否定的認識の拡散と、特許庁が継続的に推進した模倣商標防止政策が挙げられる。

特許審判院の審判長は、「外国の有名商標の模倣をめぐる外国人と韓国人の商標紛争は減り続けており、韓流ブームなどにより、韓国の独創的な商標も国際社会で認められている」とし、「先進国との自由貿易協定(FTA)でも知的財産権の保護が重要項目に含まれるなど、外国の有名商標を模倣する行為には警戒心を持たなければならない」と強調した。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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