知的財産ニュース 金融委員会と特許庁、2018グローバルIP金融カンファレンスを開催

2018年6月29日
出所: 韓国特許庁

革新成長の新しいエンジンである、「IP金融の現在と未来」について語る

金融委員会と特許庁は、6月29日(金曜)午前10時、ソウル・ザ・プラザホテルで「2018グローバルIP金融カンファレンス」を開催した。  

産業銀行の頭取をはじめとする主な市中銀行(注1)の頭取、信用保証基金、技術保証基金およびベンチャーキャピタル(VC)などの投資機関の代表者、大学・公的研究機関の特許専門家、国内外のIPビジネスの専門家など約300人が参加した。

今回のカンファレンスは「IP金融の現在と未来(IP Finance:Today and Tomorrow)」と題し、革新成長の核心課題であるIP金融の必要性と発展策について議論するために開かれた。  

IP金融は優秀な特許技術を保有しているが、不動産などの担保力と信用度が不足している中小・ベンチャー企業がグローバルな革新企業として成長する上で必要な資金調達の手段として、米国などの主要国を中心に活性化されている。

今回のカンファレンスは、海外IP金融の現状と事例(イスラエル・米国)、IPの価値評価および担保融資(ドイツ・米国・韓国)、IP投資および収益化案の3つのセッションで構成され、国内外のIP金融専門家10人らが実例を中心に主題発表と討論を行った。

第1セッションではイスラエルのVC社の代表が、IP保有企業が投資を受けることに成功した事例を挙げながらIPの重要性を強調し、米国の投資グループ社の取締役がIPライセンス、セールスおよび流動化戦略について、米国ノースウェスタン大学のプロジェクトマネージャーが大学の技術移転を通したIP収益化事例について紹介した。

第2セッションではドイツのIP価値評価の専門家が欧州の特許価値評価方法や事例について、韓国外国語大学教授が韓国のIP担保金融構造と事例について、米国IPISC社の会長が米国のIP担保融資保険制度および事例について発表した。

第3セッションでは韓国の慶煕大学教授がIP Due Diligenceの役割や重要性、ザ・ウェルズ・インベストメント社の常務がIP金融の活性化におけるVCの役割、韓国電子通信研究院(ETRI)の部長が公共研究所によるIP収益化事例、キーアス社の副社長がIPベースのM&Aの事例を発表した。

金融委員会委員長は「生産的金融とIPは革新成長の大きな柱であり、同じ目標達成に向けて進むと、韓国経済の根本的革新を導くことができるだろう」とし、「金融委と特許庁が金融とIPの協業案について共に模索する今日のカンファレンスは意味が大きい」と強調した。

特許庁長は「今は特許のような無形資産が企業の価値を決定し、成長をリードする重要な要因になっている」とし、「今回のカンファレンスを通して金融・投資機関がIP金融を活性化することを期待しており、韓国の中小・ベンチャー企業がIP金融に支えられ、革新成長の主役に成長できる、支援を惜しまない」と述べた。

カンファレンスの詳細については、韓国発明振興会(02-3459-2953、namji@kipa.org)にお問い合わせを。

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