知的財産ニュース 産業部と特許庁が協業し、産業中核技術のR&Dに「技術開発+特許」を共同支援

2018年6月7日
出所: 韓国特許庁

政府出捐金年間10億ウォン以上の産業部のR&D課題に対して特許庁がIP‐R&D戦略コンサルティングを支援し、各課題を専任する特許管理官(「IP主治医」)を配置

韓国の産業通商資源部と特許庁が産業中核技術のR&Dを支援するために協業する。両部処は7日、中・大型R&D課題の研究遂行全過程で特許戦略樹立を強化するモデル事業を共同で推進すると明らかにした。

今回のモデル事業の対象は、産業中核技術のR&Dのうち、政府出損金が年10億ウォン以上となる中・大型の課題であり、産業部のR&Dと特許庁のIP‐R&D(特許‐R&D連携戦略)をマッチングして共同で選定・支援する。

計20の課題に対し、産業部は約800億ウォンのR&D資金を、特許庁は14億ウォンのIP‐R&D戦略コンサルティング費用を提供する。

これまで産業部の中小企業へのR&D課題では、課題開始2年以内に従来の特許に対する対応戦略を策定するように規定していたが、綿密な特許分析が不十分なケースがあった。期間が3~5年の中・大型課題の場合は、課題進行や方向の修正により、特許戦略を柔軟に補完する必要もあった。

今回、産業部と特許庁が共に推進するモデル事業では、こうした部分を改善し、研究開発を行う全過程で特許戦略を有効に活用できるようにした。

そのため、第一に、今回のモデル課題には須く特許庁のIP‐R&D戦略コンサルティングを支援する。中・大型のR&Dの課題にIP‐R&Dをパッケージにして支援するのは今回のモデル事業が初めてである。

従来は課題に参加する企業などの選択に任せ、希望する一部の企業が個別申請してIP‐R&Dの支援を受けていた。

しかし、産業部のR&Dには商用化の課題が多く、製品を発売する前に特許を確保することが欠かせない。特に、大規模な国費が投じられる中・大型の課題は、初期に徹底的に特許分析を行い、正確な方向を設定することが何より重要であることを鑑み、踏み込んだ特許戦略コンサルティングを義務付けた。

第二に、モデル事業の課題については、課題別に専任の特許管理官(「IP主治医」)を置く。

課題の初期にIP‐R&Dの支援を行った後も、担当の特許戦略専門家(PM)が特許戦略の推進状況を周期的にモニタリングし、特許分析の補強などの後続管理を提供する。また、製品の発売前には特許ポートフォリオ構築などの製品化戦略まで支援する。

このような専任者による継続管理は、参加企業が今後、自主的に特許戦略を樹立していく能力向上にもつながるとみられる。

モデル事業については今後、成果分析を行い、次第に産業部全体の中・大型のR&D課題に拡大していく予定である。

特許庁産業財産政策局の局長は「世界の約3億件の特許ビッグデータを分析して、高付加価値の源泉・核心特許を確保するための研究開発の方向を提示するIP‐R&Dを通じて、産業中核技術の研究成果をさらに高めることができると期待している」と述べた。

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