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2018年4月19日
出所: 韓国特許庁

韓国特許庁によると、最近、車椅子に生体情報の処理技術を取り入れたスマート車椅子関連の特許出願件数が増加している。

スマート車椅子関連の特許出願件数は2012年には9件に過ぎなかったが、2016年には24件となり、2012年比2.5倍以上に増加した。2017年には32件が出願され、前年比33%以上増加したことが分かった。

ノイズの除去および車椅子駆動までの長い応答時間など、依然として技術的障壁は存在するが、関連センサー技術および脳科学の飛躍的発展により、早期商用化が見込まれるため、今後、関連出願は増え続けるとみられる。 

直近3年間(2015〜2017)の出願を出願人別に見ると、企業31件(47%)、大学および研究所26件(39%)、個人10件(14%)の順であった。

ここで注目すべきは、大学および研究所の出願比率が前の3年(2012〜2014)に比べて増加したことである。これは、医工学技術分野に対する政府の支援政策に支えられ、大学や研究所が研究開発に積極的に取り組んだ結果だといえるだろう。

技術分野別の出願動向を見ると、車椅子の傾斜角度克服技術の割合が52%から47%に減少した一方、車椅子に生体情報の処理技術を取り入れた認識技術の割合は27%から34%に増加した。  

これは、技術トレンドが単純な機能を向上させる手動制御方式から認識技術を取り入れた能動制御方式に進化しているためとみられる。

特許庁次世代輸送審査課の課長は「韓国のスマート車椅子の技術は、技術をリードするドイツや日本に比べると、まだ初期段階にあるが、今後、関連需要の増大と韓国の融合技術生態系の強みを基に市場が成長すると見込まれるため、技術開発の初期段階から関連知財権を早期に確保しておくことが何より重要である」と強調した。続いて「スマート車椅子の技術により、これからは全身麻痺のような重度身体障害者の社会参加が可能になり、障害者が働ける機会がもっと増えるだろう」と見通した。

特許庁は、韓国企業、大学および研究所による知的財産権の創出、海外輸出企業向けの知的財産権戦略を継続的に支援している。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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