知的財産ニュース 米GIPC「韓国IP環境9位」
2017年2月14日
出所: 電子新聞
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韓国の知的財産(IP)保護環境が世界9位と集計された。昨年(10位)より一段階上昇した。
著作権共同5位、商標1位、特許12位、執行11位、国際条約の加盟・批准14位などとなり、営業秘密は18位に止まった。
米国商工会議所傘下のグローバル知的財産センター(GIPC)が2月8日(現地時間)に発表した「2017年国際知的財産指数」によると、韓国は総点28.31点(35点満点)を獲得し、総合9位となった。世界45カ国のIP保護・執行環境を分析した結果だ。米国が総点32.62点で1位、英国(32.39点)とドイツ(31.92点)、日本(31.29点)などがそれぞれと2~4位となる。中国(14.83点)は27位だ。
2016年及び2017年国際知的財産指数の順位
順位 |
国 |
総点 |
---|---|---|
1 |
米国 |
28.61 |
2 |
英国 |
27.53 |
3 |
ドイツ |
27.36 |
4 |
フランス |
27.22 |
5 |
スウェーデン |
27.12 |
6 |
シンガポール |
25.63 |
7 |
スイス |
24.90 |
8 |
オーストラリア |
24.79 |
9 |
日本 |
23.34 |
10 |
韓国 |
23.32 |
11 |
イタリア |
22.69 |
12 |
ニュージーランド |
21.38 |
17 |
マレーシア |
14.78 |
22 |
中国 |
12.64 |
順位 |
国 |
総点 |
---|---|---|
1 |
米国 |
32.62 |
2 |
英国 |
32.39 |
3 |
ドイツ |
31.92 |
4 |
日本 |
31.29 |
5 |
スウェーデン |
30.99 |
6 |
フランス |
30.87 |
7 |
スイス |
29.86 |
8 |
シンガポール |
28.62 |
9 |
韓国 |
28.31 |
10 |
イタリア |
27.73 |
11 |
スペイン |
27.48 |
12 |
オーストラリア |
27.07 |
13 |
ハンガリー |
25.39 |
27 |
中国 |
14.83 |
資料:2017年GIPC指数/満点:35点
2017年国際知的財産指数の部門別順位
順位 |
国 |
総点 |
---|---|---|
1 |
英国 |
7.50 |
スイス |
||
スウェーデン |
||
ドイツ |
||
フランス |
||
6 |
日本 |
7.30 |
7 |
スペイン |
7.25 |
シンガポール |
||
イタリア |
||
10 |
米国 |
7.00 |
ハンガリー |
||
12 |
韓国 |
6.85 |
13 |
台湾 |
6.25 |
20 |
中国 |
4.35 |
順位 |
国 |
総点 |
---|---|---|
1 |
米国 |
6.00 |
2 |
英国 |
5.63 |
3 |
ドイツ |
5.38 |
4 |
シンガポール |
5.24 |
5 |
韓国 |
4.99 |
フランス |
||
7 |
ニュージーランド |
4.91 |
8 |
オーストラリア |
4.88 |
9 |
日本 |
4.53 |
10 |
スウェーデン |
3.85 |
11 |
マレーシア |
3.78 |
12 |
イタリア |
3.66 |
13 |
ハンガリーなど4ヵ国 |
3.38 |
27 |
中国 |
2.28 |
順位 |
国 |
総点 |
---|---|---|
1 |
韓国 |
6.55 |
2 |
スイス |
6.50 |
スウェーデン |
||
ドイツ |
||
5 |
米国 |
6.35 |
6 |
日本 |
6.30 |
7 |
英国 |
6.00 |
8 |
スペイン |
5.75 |
イタリア |
||
10 |
フランス |
5.50 |
11 |
シンガポール |
5.35 |
12 |
カナダ |
4.90 |
13 |
ニュージーランド |
4.85 |
33 |
中国 |
3.90 |
順位 |
国 |
総点 |
---|---|---|
1 |
米国 |
3.00 |
スイス |
||
ニュージーランド |
||
日本 |
||
イスラエル |
||
カナダ |
||
7 |
英国 |
2.75 |
スウェーデン |
||
シンガポール |
||
イタリア |
||
ドイツ |
||
オーストラリア |
||
13 |
フランス |
2.50 |
18 |
韓国等3ヵ国 |
2.00 |
45 |
中国 |
0.25 |
順位 |
国 |
総点 |
---|---|---|
1 |
英国 |
6.51 |
2 |
スウェーデン |
6.39 |
3 |
フランス |
6.38 |
4 |
ドイツ |
6.29 |
5 |
米国 |
6.27 |
6 |
日本 |
6.16 |
7 |
スイス |
5.73 |
8 |
オーストラリア |
5.29 |
9 |
シンガポール |
5.03 |
10 |
イスラエル |
4.94 |
11 |
韓国 |
4.92 |
12 |
スペイン |
4.85 |
13 |
イタリア |
4.82 |
14 |
ニュージーランド |
4.79 |
28 |
中国 |
2.55 |
順位 |
国 |
総点 |
---|---|---|
1 |
米国 |
4.00 |
ウクライナ |
||
英国 |
||
スイス |
||
スウェーデン |
||
スペイン |
||
日本 |
||
フランス |
||
オーストラリア |
||
10 |
ポーランド |
3.50 |
イタリア |
||
ハンガリー |
||
ドイツ |
||
14 |
韓国等3ヵ国 |
3.00 |
28 |
中国 |
1.50 |
特許12位
韓国の特許環境は6.85点(8点満点)と、12位となった。昨年(11位)より一段階下がった。全部8項目のうち、韓国は5つの項目で満点(1点)を獲得した。具体的には、特許保護期間、特許要件、コンピュータで実現される発明の特許適格性、特許製品・技術の強制実施権の立法基準・利用、医薬品特許存続期間の延長などで満点を取った。このうち「特許要件」は2015年の0.5点から、昨年(0.75点)も今年も0.25点が上がった。
しかし、医薬品特許の執行・解決策(0.5点)、規制的データの保護期間(0.6点)などは3年間同じ水準に留まっている。今年新設された特許無効化では0.75点を取った。
国家別特許環境の順位では、英国とスイス、スウェーデン、ドイツ、フランスなど5カ国が共同1位(7.5点)となった。日本は6位(7.3点)、中国は20位(4.35点)となった。
区分(満点) |
項目(各1点) |
2016年 |
2017年 |
備考 |
---|---|---|---|---|
特許権(8点) |
特許権の保護期間 |
1.00 |
1.00 |
|
特許要件 |
0.75 |
1.00 |
+0.25 |
|
コンピューターで実現される発明の特許適格性 |
1.00 |
1.00 |
||
医薬品関連特許の執行・解決策 |
0.50 |
0.50 |
||
特許製品・技術の強制実施権の立法基準・利用 |
1.00 |
1.00 |
||
医薬品特許存続期間の延長 |
1.00 |
1.00 |
||
規制的データの保護期間 |
0.60 |
0.60 |
||
特許無効化 |
- |
0.75 |
新設 |
|
計 |
5.85 |
6.85 |
||
著作権(6点) |
著作権・関連権利の保護期間 |
0.74 |
0.74 |
|
著作権・独占権を付与する法的措置 |
1.00 |
1.00 |
||
オンライン上の違法コピーへの対応に向けた協力増進制度の有用性 |
1.00 |
1.00 |
||
著作権制限・例外範囲 |
0.75 |
0.75 |
||
デジタル著作権管理規定 |
1.00 |
1.00 |
||
政府ICTシステム用のソフトウェアライセンス指針・政策の執行の明確性 |
0.25 |
0.50 |
+0.25 |
|
計 |
4.74 |
4.99 |
||
商標権(7点) |
商標権の保護期間(更新期間) |
1.00 |
1.00 |
|
商品包装時のブランド使用に対する差別・制限禁止 |
1.00 |
1.00 |
||
商標権者の商標権保護能力・要件 |
1.00 |
1.00 |
||
商標権の侵害防止に必要な法的な独占権付与手段 |
0.75 |
0.75 |
||
模倣品のオンライン販売への対応増進制度の有用性 |
1.00 |
1.00 |
||
デザインの保護期間 |
- |
0.80 |
新設 |
|
デザイン侵害防止に必要な独占権を付与する措置 |
- |
1.00 |
新設 |
|
計 |
4.75 |
6.55 |
著作権5位・商標1位
著作権(4.99点/6点満点)は、昨年の8位から今年は共同5位へと、商標(6.55点/7点満点)は、昨年の共同1位から今年は単独1位に上がった。
著作権は、著作権・独占権を付与する法的措置、オンライン上の違法コピーへの対応に向けた協力増進制度の有用性、デジタル著作権管理規定など、3つの項目で満点を取った。また、昨年0.25点に留まっていた政府情報通信技術(ICT)システム用の特許ソフトウェアライセンス指針・政策執行の明確性で、今年は0.5点を取った。
韓国知識財産研究院のイ・ジュヨン研究委員は「昨年、あまりにも低く評価された項目だ」とし、「一部の指標は、時差を置いて反映される」と説明した。
残りの著作権・関連権利の保護期間(0.74点)、著作権の制限・例外範囲(0.75点)などの点数は昨年と同じだった。
商標においては、新設の項目であるデザインの保護期間(0.8点)、デザイン侵害防止に必要な独占権を付与する措置(1点)などで競合国より高い点数を得た。この他、商標権保護期間(1点)、商品包装時のブランド使用の差別・制限の禁止(1点)、商標権者の商標権保護能力・要件(1点)、模倣品のオンライン販売への対応増進制度の有用性(1点)、商標権の侵害防止に必要な法的独占権の付与手段(0.75点)などは、昨年の点数を維持した。
区分(満点) |
項目(各1点) |
2016年 |
2017年 |
備考 |
---|---|---|---|---|
営業秘密 |
営業秘密保護 |
0.75 |
0.75 |
|
市場進入障壁 |
0.50 |
0.50 |
||
知財資産の商業化関連規制・行政障壁 |
- |
0.75 |
新設 |
|
計 |
5.85 |
6.85 |
||
執行(7点) |
模倣品の割合 |
0.61 |
0.52 |
-0.09 |
ソフトウェアの違法コピーの割合 |
0.62 |
0.65 |
+0.03 |
|
民事・手続き的救済 |
0.75 |
0.75 |
||
損害賠償額・損害賠償額の算定方法 |
0.75 |
0.75 |
||
刑事処罰基準(最短懲役期間及び最低罰金を含む) |
1.00 |
1.00 |
||
実行的水際措置 |
1.00 |
1.00 |
||
税関当局の貿易関連知財侵害の透明性・結果公表 |
- |
0.25 |
||
計 |
4.73 |
4.92 |
||
国際条約 |
世界知的所有権機関(WIPO)インターネット協約 |
1.00 |
1.00 |
|
商標法に関するシンガポール条約 |
0.00 |
1.00 |
+1.00 |
|
特許法条約 |
0.00 |
0.00 |
||
WTO/TRIPS加盟後、実質的IP条項を含むFTA締結 |
1.00 |
1.00 |
||
計 |
2.00 |
3.00 |
||
総点 |
23.32 |
28.31 |
||
満点 |
30.00 |
35.00 |
||
順位/調査対象国 |
10/38 |
9/45 |
+1段階 |
営業秘密18位
営業秘密(2点/3点満点)は、昨年の共同17位に続き、今年も共同18位に留まった。項目別点数を見ると、営業秘密保護(0.75点)、市場参入障壁(0.5点)、IP資産の商業化関連規制・行政障壁(0.75点)などだ。
執行(4.92点/7点満点)は11位、国際条約の加盟・批准(3点/4点満点)は共同14位だ。執行の場合、税関当局の貿易関連IP侵害の透明性・結果の公表(0.25点)、模倣品の割合(0.52点)、ソフトウェアの違法コピーの割合(0.65点)などは低い点数に留まった。国際条約の加盟・批准は、昨年7月に商標法に関するシンガポール条約が発効し、点数が0点から1点へと上昇した。
GIPCは報告書において「韓国の知財執行環境が改善された」としながらも、「知財の侵害による損害賠償額などは依然として解決すべき課題だ」と指摘した。
GIPCの国際知的財産指数について、指標を開発した米国の観点を強く反映されるという点が限界として指摘されるが、現在各国の知財保護水準を比較できる唯一の指標として評価されている。韓国知識財産研究院のチェ・ジェシク研究委員は「各国の特殊性を反映していないという限界がある」としながらも、「GIPC指数は、各国の知財保護に係る法律や制度を様々な観点から比較できる資料という意味がある」と話した。
GIPCの国際知的財産指数は2012年に初めて評価を行って以来、今年で5回目となる。韓国は3回目の2015年から調査対象国に含まれた。全体の順位は2015年8位、2016年10位に続き、今年は9位となった。
イ・ギジョン記者 gjgj@etnews.com
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
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担当者:大塚、柳(ユ)、李(イ)、半田
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