知的財産ニュース 透水・貯留ブロックの関連出願が増加

2016年11月1日
出所: 韓国特許庁

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最近、異常気象による集中豪雨が頻発し、都市化の拡大で地面が不浸透化※することにより、都市における浸水被害が増加している。これに伴って、グリーンインフラ(Green Infrastructure)[1]に対する関心が高まっており、特に透水ブロックと貯留ブロックが注目されている。

※ソウル市の不透水面積は1960年7.8%から2010年47.8%へと増加

特許庁によると、透水ブロックと貯留ブロックの出願比率は2005~2009年ブロック関連出願件数の19%(計95件)だったが、2010年~2014年は40%(計166件)を占め、ブロック関連出願量が減少したにもかかわらず、出願比率と出願件数ともに増えた。

透水ブロックと貯留ブロックの出願技術

透水ブロックは一般的な歩道ブロックとは違って、内部の空隙及び穴(ホール)を通じて水を容易に流してさせ地下に浸透させ、洪水防止や地下水の増加、地中生態保全等の効果がある。貯留ブロックは、ブロック内にスペースを作って雨水を保存することで集中豪雨の被害を押さえるほか、雨水の地下浸透による水循環に寄与し、街路樹等に水分を供給することで植生にも役立つ。

透水ブロックの場合、高分子バインダーを利用して骨材間の結合力を高め、透水性と強度を同時に確保する技術、透水のための穴(ホール)にフィルターを設置して透水だけでなく、雨水浄化まで誘導する技術等が開発されている。最近では、透水ブロックの空隙が行き詰る問題を改善する技術も出願されている。

また、貯留ブロックには、ブロック内部に中空部を形成して雨水を保管し、中空部の下部に雨水流入部より小さい雨水排出口を形成して雨水を貯留させる技術や、雨水排出口を雨水貯蔵部よりも高く形成して貯蔵部の水が一定水準に到達すれば、排出口を通じて水が排出され、一定の貯水量を維持できる技術等が出願されている。

特許庁のイ・ソクボム国土環境審査課長は「今後頻繁な集中豪雨が予想されており、洪水防止や都市の水循環システムを改善するために透水施設や貯留施設を拡充する等、環境にやさしい都市施設に対する投資が必要となる。これと関連した透水ブロックと貯留ブロックの特許出願も今後増える見通しだ」と述べた。


注記

[1] Green Infrastructure(GI)は都市の水循環能力の回復に関する概念で、1999年米国で公式用語として初めて使用されており、洪水管理と直接連携性があるという点で単なる緑地計画とは区別される。

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