知的財産ニュース 特許評価データベース、民間に全面開放

2016年11月17日
出所: 韓国特許庁

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特許庁は、民間の知的財産サービス企業[1] が精製された特許分析情報を活用して簡単にサービスを開発できるよう、特許分析評価システム(SMART3)[2] の特許評価要素データを今月21日から開放すると発表した。

SMART3は、ユーザーが特許番号又は権利者名を入力すれば、当該特許の質的水準の情報をリアルタイムで提供を受けられるオンラインシステム(smart.kipa.org)であり、2010年に初のサービスが提供されて以来、今年10月まで計214の企業・機関から50万件あまりに及ぶサービスの支援を受ける等、特許の維持・管理をはじめ、技術取引や研究開発の質的評価、知的財産の金融支援といった多様な分野で活用されてきた。

国内企業や研究機関が保有している数万件の特許を効率的に管理するための自動特許評価システムの必要性は増大しているが、民間の商用化した特許評価システムは2つに過ぎず、関連民間産業基盤は脆弱なのが実状だ。

また、民間企業が特許評価基準や要素を選定し、膨大な特許情報から必要なデータを抽出して分析するのにかかる費用や時間の負担が、新たな特許評価サービス開発の進入障壁となるという意見が提起されてきた。

これを受け、特許庁はSMART3で使用中の国内特許評価要素のデータを提供して、特許文書に出ている各種情報の収集・抽出・分析・計量化等、特許情報の加工過程をすべて省略し、直ちに特許評価サービスの開発に活用できるようにした。これによって、民間の知的財産サービス企業が特許情報を精製するのにかかる時間と費用を軽減させることで、市場で競争力のある高付加価値の特許評価サービスを提供できる土台を作る計画だ。

さらに、開放後も特許庁の長年蓄積されてきた特許評価システムの運営経験や情報を共有し、新たに参入した民間企業や既存のサービスの改善現況等、民間市場の活用度をモニタリングして特許評価システムの開発が積極的に行われるよう、サポートしていく予定だ。

特許庁のキム・テマン産業財産政策局長は「精製された特許分析データを開放することで、民間の知的財産評価能力を強化させる一方で、多様な知的財産ビジネスモデルが開発され、拡散されることを期待する」と話した。


注記

[1] 知的財産サービス企業::特許、著作権等、知的財産関連情報の分析・提供、知的財産の評価・取引・管理、知的財産経営戦略の策定・諮問等、知的財産に関するサービスを提供する企業
[2] SMART3(スマート3):System to Measure、Analyze and Rate patent Technology 3

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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