知的財産ニュース 韓国、7月からメキシコにPCT国際調査サービスを提供

2016年4月27日
出所: 韓国特許庁

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特許庁は、今年7月1日から国際特許出願に関する国際調査サービスをメキシコに提供すると発表した。

※国際調査:国際特許出願をする際に、特許の取得可否を事前に調査して出願人に提供する手続きであり、世界知的所有権機関(WIPO)の148加盟国のうち国際調査能力の承認を受けた21の特許庁に限って国際調査の業務が可能

チェ・ドンギュ特許庁長は、4月27日(水)午前7時にミゲル・アンヘル・マゲイン(Miguel Angel Margáin)メキシコ特許庁長と会談を行い、メキシコで特許協力条約(Patent Cooperation Treaty)に基づいて申請された国際特許出願について、韓国が国際調査サービスを提供できるようにするという内容を骨子とする了解覚書に署名した。

今回の両国間の特許庁長会談は、4月4日に開催された韓国・メキシコ首脳会談の後続措置の一環として開かれたものだが、了解覚書が締結されることにより、中米地域の知的財産ハブ国家であるメキシコとの間で知財権分野における協力がさらに強化される見通しだ。

特に、今回の了解覚書には、メキシコにおいて、韓国語での国際特許出願を可能にする内容も盛り込まれた。これは、外国で韓国語での国際特許出願を認める初の事例となり、海外に進出した韓国企業が必要に応じて活用できるようになる見通しだ。

チェ・ドンギュ特許庁長は「今回の了解覚書の締結はこれまで毎年約2千万ドルに上る国際調査サービス輸出実績を持っている韓国特許庁の優秀な審査品質に因る結果」と評価し、「韓国審査官の派遣によるUAE(アラブ首長国連邦)特許審査の実行、450万ドル規模の特許行政情報化システムのUAEへの輸出、トルコ特許庁に対する特許行政コンサルティングの提供等、韓国の先進化した特許行政を学ぼうとする事例はますます増加している」と付け加えた。

また、両長官は、有名商標の保護強化にも相互協力していくことで合意したが、これは、メキシコで人気を集めている多様な韓国商品やサービスの保護に大きく役立つと見られる。

一方、今月21日(現地時間)メキシコ・シティーでメキシコの子供向け知的財産教育として韓国製アニメ「発明王ポロロ」のメキシコ版発売式も開催される等、知的財産分野における韓流ブームが確認された。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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