知的財産ニュース サムスンSDS、特許確保で海外進出を加速化

2016年2月15日
出所: デジタルタイムズ

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サムスンSDSが特許確保による市場攻略に乗り出した。特許登録地域も国内から海外へと重点を移している。

サムスンSDSは2月14日、去年第3四半期まで計1,225件の特許を登録したことを明らかにした。

同社はこれに先立ち、2012年のメガトレンド発表時に未来IT市場の主要キーワードとして「特許競争力」を挙げ、特許確保がIT業界における最大の話題になると予想したことがある。当時、サムスン電子とアップルはスマートフォンのデザインとユーザー環境(UI)を巡る特許訴訟を繰り広げ始めた状況であって、その後中国のシャオミがインド等の海外市場で特許訴訟に巻き込まれ販売中止となる等、特許の重要性が高まってきた。

これを受けたサムスンSDSは、研究所組織内の技術戦略チームを中心に全社を挙げて特許管理に取り組み始めた。同社が確保した特許では スマートオフィス・ホーム関連特許が30%、モバイル・セキュリティー関連特許が25%を占めている。最近では映像分析(Visual Analytics)やビックデータ分析を活用したスマート製造・物流関連技術の確保に重点を置いている。
特許登録地域別にみると、国内が1,078件で圧倒的に多く、米国56件、日本44件、中国35件等となる。2013年までは国内特許の確保に集中してきたが、その後海外特許登録にも取り組み始めた。

同社は去年、四半期報告書で「事業関連特許紛争の可能性に効果的に対応すべく、主要知的財産権(IP)大国を重心に、特許による技術権利化を進めている」と説明した。

また、サムスン電子等の関係会社と共にIT分野で多様で幅広い特許ポートフォリオを構築することで事業保護はもとより、類似した特許の乱立を防ぎ、ライバル社をけん制するため、特許競争力強化に努めている。ひいては、将来の事業に対する特許確保により市場を先取りするとの計画だ。

このような動きは、今年から本格的に稼働し始めた新規事業部門であるソリューション事業部門の強化に伴い、さらに活発化すると業界は予想している。業界の関係者は、「サムスンSDSは医療や物流等、多様なソリューション発売を準備していることもあり、これから新しい特許確保に一層拍車をかけるだろう」との見通しを示した。

イ・ジェウン記者 jwlee@dt.co.kr

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