知的財産ニュース 韓-中、商標分野長官級会談を開催

2016年6月23日
出所: 韓国特許庁

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特許庁は6月21日、中国北京で中国国家工商行政管理総局と第4回韓-中の商標分野長官会談※を開催した。
※首席代表:(韓国)チェ・ドンギュ特許庁長、(中国)リュジュンチェン工商行政管理総局副局長(次官級)

中韓FTA発効後、初めて開催された今回の商標分野最高位級会談で両国は、悪意のある商標先取りや模倣品等、両国間の主な懸案について議論した。

まず、模倣商標の登録防止に向けた協力策に合意した。特に、ハングル商標や韓流コンテンツを通じて有名となったブランド等、韓国の商標を模倣したものと疑われる中国内出願については、当局間の情報共有により審査段階で登録防止できる協力体制を構築することにした。

また、模倣商標が審査段階でばれなかったとしても異議申立の際に情報共有を通じて登録を防止する事後的協力体制を構築することにも合意した。このような一連の合意は、登録された模倣商標を無効とさせるために相当の時間と費用を費やしている韓国企業の負担軽減につながる見通しだ。

中韓商標当局は、このような情報共有を早期に実現するため、模倣商標を簡単に検索しこれを速やかに通知できるシステムを構築する案について協議していくことにした。 韓国特許庁は、このようなシステムが構築される前までは中国で模倣したものと疑われる商標リストを定期的に中国当局に提供する方針だ。このような合意は、これまでなかなか話が進まなかった両国間の模倣商標問題の解決に重要な転機になる見通しだ。

この他にも両国は、審査処理期間の短縮及び審査品質の強化策について意見を交換し、今後も多様な人材交流や情報共有を通じて両機関の協力を強化することにも合意した。

最近特許庁は、今年5月現在まで中国現地で他人に先取りされた商標は1,000件を越え、被害企業も600社余りに達すると明らかにした。

チェ・ドンギュ特許庁長は「商標分野における中国との協力は、韓国企業の競争力強化や海外進出の拡大に向けて特許庁が積極的に進めている」と強調し、「今回の会談を通じて確認された中国の知的財産権保護への意志と相互信頼を土台に、両国の企業が安心して活動できる環境を整っていく方針だ」と話した。

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