知的財産ニュース 特許庁、国家未来戦略特許分析センターを開所

2016年5月11日
出所: 韓国特許庁

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特許庁は、中核技術別に高級特許DBと特許分析専門家を備えた「国家未来戦略特許分析センター」(以下「特許分析センター」)を韓国知識財産戦略院内に開所し、特許分析に基づいた未来R&D戦略の策定、有望技術・企業の発掘等を本格的に推進することを明らかにした。

全世界に公開された3億件余りの特許は、高級技術情報であると同時に各国特許庁が検証した権利情報であり、技術的問題に対する解決策が体系的に記録されている。こうした特許ビックデータをうまく分析すれば、技術の発展方向はもちろん、源泉特許・中核特許を先取りできる有望技術を発掘することができるため、R&Dテーマの発掘、企画等において重要性がますます高まっている。

これを受け特許庁は、特許のビックデーター分析を通じて未来の有望技術を探る「国家特許戦略の青写真構築」事業を推進してきた。2012年~2015年まで全産業分野における4,300余りの中核技術に係る国内外の有効特許290万件余りを深層分析して有望技術200件余りと有望R&D課題545件を発掘し、このうち49%(課題266件)は実際に各省庁のR&D企画課題として反映された。青写真特許分析情報は、行政自治部が今年1月国民アンケートから選定した「2015年国民に有用な公共情報10選」のうち5位に選ばれた。

今年は、このような特許のビックデーター分析をさらに拡大するための拠点として「特許分析センター」の開所を推進した。これまで確保した290万件の特許情報を訴訟・技術移転情報、企業情報、R&D投資情報等と連携してデータベース化した。

特許データベースの技術体系は、標準産業分類(KSIC)、科学/産業技術分類等、産業界で主に活用する分類体系と直接マッチングできるように構成している。この技術体系を活用すれば、特許の観点から各産業別・技術別トレンドを容易に比較・分析することができる。また、特許のビックデーター分析を行う専門家(修士・博士級5人を含む。R&D/特許分析経歴平均11.3年)を9人確保し、外部との意思疎通の窓口として産・学・研・官の専門家20人余りからなる統合戦略委員会も立ち上げた。

この日開所式には、特許庁のキム・テマン産業財産政策局長とビョン・フンソク韓国知識財産戦略院院長をはじめ、政府R&D専門機関、民間協会、技術金融関連機関等から30人余りが出席した。開所式の後、統合戦略委員会委員らは、政府・民間R&D及び技術金融における特許ビッグデータの活用策や特許分析センターの役割についてパネルディスカッションを行った。

今後「特許分析センター」は、産業界の需要と連動する最新の特許DBの維持、R&D類型・目的別特許分析の支援、特許・技術、企業情報の連携・融合等を総括する予定だ。特に、今年は、(1)政府R&D企画のための特許観点の有望技術・課題の発掘、(2)民間企業・協会対象のオーダーメード型特許分析情報の提供、(3)技術金融の活性化に向けた特許観点からの有望企業の発掘及び技術信用評価機関(TCB)・技術情報DBとの連携強化等を重点的に推進する予定だ。

特許庁のキム・テマン産業財産政策局長は「これまでの特許情報は、標準産業分類等と技術体系が異なり、産業・技術単位の大規模な特許分析を行う上で多くの費用と時間がかかった。特許分析センターが確保した産業・技術・企業の連携特許情報を積極的に活用し、国レベルの未来R&D戦略の策定、未来の有望な技術・企業の発掘等を集中的に支援する方針だ」と述べた。

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