知的財産ニュース 特許庁、デザイン権に関する取締り権拡大を推進

2015年12月1日
出所: 電子新聞

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模倣品を取り締る韓国特許庁特別司法警察にデザイン権侵害取締りの権限を付与する法律案が発議された。

新政治民主連合のパク・ワンジュ議員は「デザイン保護法に関する特別司法警察法改正案」を発議したと30日に明らかにした。特別司法警察にデザイン侵害に関する取締り権限がない制度的弱点を改善するためである。パク議員は「デザイン保護法」と「司法警察管理職務を遂行する者とその職務範囲に関する法律」の一部改正案について代表発議を行った。

デザイン権については、去る国政監査以降から注目が集まっている。売上高が10兆ウォン超える流通大手が零細デザイナーの商品を中国で購入し、これを韓国で販売したデザイン権侵害事例についてパク議員が問題提起したからだ。侵害した企業は、パク議員の指摘に対し侵害事実を認め、被害を受けたデザイナーと和解し賠償を済ませている。また、今後のデザイン権侵害防止に向けた社内プロセスを作成し公開した。

これまではデザイン権侵害に関する取締りがまともに行われていなかった。産業財産権侵害を取り締る特許庁の特別司法警察の職務範囲が商標権に関する権利侵害に限定されていたからだ。デザイン保護法のデザイン権が「親告罪」として規定されているため処罰が円滑に行われなかった。

改正案では、デザイン保護法の「デザイン権」又は「専用実施権」侵害犯罪を現在の親告罪から、侵害を受けた者の意思に反し処罰されない「反意思不罰罪」に改めた。処罰範囲を拡大し特別司法警察の職務範囲を拡大した。零細業者のデザインを保護するためである。

パク議員は「これまでいわゆるブランド品に対する模倣品取締りには積極的であったが、零細業者が被害を受けたデザイン権は疎外されてきた」とし、「デザイン権侵害商品も本質的には模倣品として扱うべきである」と指摘した。

パク議員以外にもホン・イクヒョウ、イ・ケホ、イ・モクヒ、キム・グァンジン、パク・ナンチュン、チョウ・ジョンシク、キム・ソンコン、ユ・スンヒ、キム・キョンヒョプ、ノ・ヨンミン議員などが共同発議者として今回の改正案に参加した。

ヤン・ソヨン記者  syyang@etnews.com

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