知的財産ニュース 【特許から見た未来技術】LGが注目した技術
2015年4月21日
出所: 電子新聞
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LG電子が未来IP競争力強化に出た。LGは過去10年間(2005-2014)、毎年欠かさず特許登録を増やしてきた。特に既存の通信中心の特許登録の戦略を熱電及び光電、音声認識及びオディオ信号処理、動画像UI、照明等の新しい領域まで拡大した。
電子新聞の未来技術研究センター(ETRC)と特許分析専門会社の広開土研究所が共同で発行したIPノミックス報告書の「LG電子は何を準備しているのか?」によると、LGは昨年全体で2174件の特許を登録した。この中で多重化通信(Multiplex Communications)分野の特許登録が580件で最も多く、遠隔通信(224件)、モバイルデバイス及びコンピュータデザイン(171件)、動画像UI(132件)等であった。この他にも100件余りの技術群(USPC Class Title 基準)で新規特許を登録し、幅広い技術革新を行っている。
LGは、2009年のグローバル金融危機とグループ売上高が大幅に減った時期(2010~2012年)にも特許登録は継続的に増やしてきた。その結果2005年は460件余りであった通年の特許登録が2014年には2170件余りとなり約5倍増となった。
この期間にLGは、通信特許を集中的に開発して登録した。実際に、多重化通信(1921件)、遠隔通信(1312件)、デジタル通信(800件)のような通信特許の開発に集中して技術力を高めた。通信以外には、モバイルディバイス及びコンピュータデザイン(1044件)、冷蔵(640件)、テレビジョン(407件)、洗濯(230件)等の家電分野の技術開発に主力してきた。
しかし、近頃は熱電及び光電(Thermoelectric and photoelectric)、音声認識及びオーディオ信号処理、照明、アンテナ等の新しい分野の特許登録を迅速に増やした。
これらの技術は全て最近3年の間に特許登録の割合が大幅に高くなった。新規特許登録が集中しているということは技術革新のための戦略分野である可能性が高い。
熱電及び光電分野は過去10年間で約30件の特許を登録した。この中で12件の特許を昨年1年間で登録している。音声認識及びオーディオ信号処理も約120件の特許の中で約60件が最近登録したものである。これ以外にも約60件の技術がここ3年間で登録し、その割合が50%超と示された。この技術はLGが戦略的に注目している技術領域である。
LGが特許登録を強化した80件の技術領域は、熱電及び光電、音声認識及びオーディオ信号処理、非金属成型、HW生産工程、UI及びスクリーン表現、動画像UI、光学(写真)、照明、エラー処理、液状セル、冷蔵用冷媒、アンテナ、PC間データ送信、車両用データ通信等だ。
これらの分野は、全体保有特許件数は少ないがLGが最近特許登録を強化し始めた領域という点で注目される。
技術名 |
2014年の登録特許件数 |
最近3年の登録特許件数 |
---|---|---|
多重化通信 |
580 |
1327 |
遠隔通信 |
224 |
734 |
モバイルディバイス 及びコンピュータデザイン |
171 |
362 |
動画像UI |
132 |
468 |
テレビジョン |
84 |
165 |
李・カンウック記者
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