知的財産ニュース 特許開放活性化に向けた特許手数料支援制度が11月1日から施行

2015年10月29日
出所: 韓国特許庁

5159

化粧品の原料を生産する中小企業A社(所在:忠清北道)は最近、忠北創造経済革新センターを通じてシワの改善及び美白化粧品の原料に関する特許7件について大企業からの無償移転を受けた。A社は、移転された特許で確保した技術力を基に、機能性原料の開発や事業拡大を進めている。

今後、このように中小・中堅企業が特許の無償提供を受けて事業に活用するケースが増える見通しだ。特許無償開放の際に手数料インセンディブを提供することを定めた「特許料等の徴収規則(産業通商部令)」が改正され、11月1日から施行されるためである。

※特許無償開放:特許権者(実用新案・デザインを含む)が自分の権利を第3者に無償で移転又は実施権を設定する行為

特許庁は、特許・実用新案・デザイン権を保有した権利者が創造経済革新センター又は発明振興会を通じて開放の意思を明らかにし、実際中小・中堅企業に無償で実施権を設定又は特許権そのものを移転した場合、特許手数料の納付時に現金のように使える「知識財産ポイント」を付与すると発表した。

具体的には、権利者が中小・中堅企業に対し、無償で通常又は専用実施権を3年以上設定した場合、その期間に納付した登録料の50%を知識財産ポイントとして返すという内容だ。特許権の場合は30万ウォン、実用新案とデザインの場合は5万ウォンの知識財産ポイントが与えられる。

制度施行日である11月1日の前に中小・中堅企業に無償実施権を設定又は特許権を無償移転した場合であっても、創造経済革新センターを介した場合であれば、遡及し知識財産ポイントを受けられる。

現在、全国18カ所の創造経済革新センターには、1万3千件以上の大企業特許が無償で公開されており、これを中小・中堅企業の個別的な技術需要につなげる役割を担う特許取引専門官も配置されており、今回の手数料支援制度の施行をきっかけに、無償技術移転が一層活性化する見通しだ。

特許庁のイ・ジェウ情報顧客支援局長は「今回の開放特許手数料支援策は大企業のみを対象としているわけではないため、個人・中小企業を含む誰でも中小・中堅企業に特許を提供すれば手数料の支援を受けられる」とし、「特許開放の動きが拡散すれば、中小・中堅企業は新たなビジネスチャンスを見つけられ、ひいては国全体で特許活用が促進され、創造経済の活性化にも貢献できると思う」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、柳(ユ)、李(イ)、半田
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195